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都市対抗野球2021

社会人野球日本一を決める第92回都市対抗野球大会(11月28日~12月9日)に関する特集サイトです。

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/16 JR東日本東北 2度の完全試合 チームが受け継ぐ教え

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【TDK-JR東日本東北】都市対抗東北2次予選で第1代表に決まり喜ぶJR東日本東北の選手たち=宮城・石巻市民球場で2021年10月9日、和田大典撮影
【TDK-JR東日本東北】都市対抗東北2次予選で第1代表に決まり喜ぶJR東日本東北の選手たち=宮城・石巻市民球場で2021年10月9日、和田大典撮影

 11月28日開幕の第92回都市対抗野球大会。出場全32チームの魅力を担当記者が伝えます。32回連載の16回目は仙台市・JR東日本東北。2大大会で2度の「完全試合」は今、チームにどんな影響を与えているのでしょうか。<次回は26日朝公開予定>

2大大会で完全試合

 JR東日本東北は都市対抗、日本選手権の2大大会でともに「完全試合」を達成している唯一のチームだ。なぜ都市部や激戦区のチームではなく、宮城県を拠点とするJR東日本東北が2度も偉業を達成できたのか。その源流をたどると、今も受け継がれる一つの「教え」にたどり着く。

 一人の走者も出さない完全試合は、プロ野球でも過去に15回しか達成されていない快挙。社会人野球の2大大会ではさらに少なく、わずか3回しかない。都市対抗では第28回大会(1957年)1回戦で、福岡県二瀬町(現飯塚市)・日鉄二瀬の右腕・村上峻介さんが初めて成し遂げた。

 しかし、それ以降は半世紀以上も達成されず、2度目は第82回大会(2011年)1回戦で、JR東日本東北の右腕・森内寿春(としはる)さん(元日本ハム)が記録。日本選手権では第43回大会(17年)1回戦で、同じくJR東日本東北の左腕・西村祐太が大会史上初の完全試合を達成した。社会人野球の歴史に刻まれる3人のうち、実に2人がJR東日本東北の投手だ。

 都市対抗で完全試合が達成された11年は東日本大震災があり、大会の開催自体が危ぶまれた。被害の大きかった宮城県を拠点とするJR東日本東北は、チームの活動を一時中断。選手らは津波に襲われた駅舎の泥をかき出したり、電車が不通の地域で代行バスを利用する乗客の案内に当たったりした。

 「復興応援」を掲げて10月下旬に開幕した本大会で、JR東日本東北は初戦のマウンドを5年目で都市対抗初先発の森内さんに託した。森内さんは「ふわふわした感じで落ち着かなかった」と当時を振り返るが、普段からミリ単位にこだわって投げ分ける練習をして制球力を磨いていたという。また、捕手だった高橋一成さんは「森内は132球を投げて一度も首を振らなかった」。十分な意思疎通で偉業を成し遂げると、「がんばろう、東北」を掲げて一丸となったチームは勢いに乗り、初の4強入りを果たした。「(復興の途上である)地元のために勝とう」という使命感が後押しとなった。

今も受け継がれる前監督の教え

 その6年後、今も現役の西村が日本選手権で快挙を成し遂げた。西村は、12年に日本ハムに入団してプロとなった森内さんと一緒に練習した経験がない。ただ、森内さんの投球映像は目に焼き付いており、自身との共通点を見いだしていた。…

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