組織論の専門家が分析 ラグビー日本代表支える「複数リーダー制」

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日本代表の主将として絶対的なリーダーシップを誇ったリーチ・マイケル=東京都港区で2015年10月13日午後5時21分、宮間俊樹撮影
日本代表の主将として絶対的なリーダーシップを誇ったリーチ・マイケル=東京都港区で2015年10月13日午後5時21分、宮間俊樹撮影

 ラグビー日本代表にこの秋、大きな変化があった。主将がFWリーチ・マイケル(BL東京)から、FWピーター・ラブスカフニ(東京ベイ)に交代したのだ。しかし、チーム内に動揺は走らず、強豪と接戦も演じた。屋台骨が揺らがなかった一因が、日本代表が採用する複数リーダー制だ。特長や運用のコツはどこにあるのか。スポーツ組織論の専門家に聞いた。

 「ラピース」の愛称で慕われるラブスカフニがリーチから主将を引き継ぐことが決まったのは今年9月。宮崎合宿が始まる2週間ほど前で、ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)から電話で打診されたという。

 献身的なプレーとリーダーシップに定評があり、2019年ワールドカップ(W杯)でゲーム主将を務めたこともあるラピースは「光栄で名誉なこと」と快諾した。リーチと比べて日本語でのコミュニケーションは得意ではないが、「このチームにはいいリーダーがたくさんいる。私は細かいことをたくさんマネジメントするのではなく、リーダーたちがいい仕事をするのをまとめていく」と、自らの主将像を示す。

キャプテン経験者だらけのジャパン

 日本代表は19年W杯前から「リーダーシップグループ」と呼ばれる複数リーダー制を採用し、注目された。攻撃や防御、接点や規律などテーマごとにリーダーが任命される。主将ではないメンバーが「リーダーズ」(責任者)としてチームを統率する仕組みだ。仕組みは現在も踏襲され、ラピースとともに、副主将の中村亮土(東京SG)のほか、リーチ、流大(東京SG)、ラファエレ・ティモシー(神戸)、坂手淳史(埼玉)らで構成されるという。

 彼らの多くに共通するのが、学生時代にチームの主将を担っていたことだ。中村、流、坂手はいずれも、全国大学選手権9連覇を達成した黄金期の帝京大で主将を務めた。ラピースも、母国・南アフリカでの学生時代に主将経験があるという。ラピースは「名を挙げたらきりがないが、リーダーシップグループ以外にも主将経験者はたくさんいる。それはチームにとってポジティブなことだ。各自が責任を持って、何をするか考えてチームをまとめることが大事だ」と指摘する。

物を言う学生時代のリーダー経験

 学生時代のリーダー経験の大事さを示す調査結果がある。早稲田大スポーツ科学学術院の作野(さくの)誠一教授(スポーツ組織論)は、早大の学生約180人を対象に…

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