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水俣曼荼羅 魅力的な生身の人間

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映画「水俣曼荼羅」の一場面(C)疾走プロダクション
映画「水俣曼荼羅」の一場面(C)疾走プロダクション

 原一男監督の「れいわ一揆」に続く新作は、20年にわたって水俣病を取材した3部構成、6時間12分の超大作。水俣病をめぐるさまざまな風景を切り取り深掘りして、立体的で重層的な人間群像を描き出す。その人間たちが実に魅力的で、かつその底には水俣病の罪深さと不条理が深く刻まれている。見始めたらやめられない面白さである。

 3部構成の作品には、さまざまな立場で水俣病と向き合う人たちが登場する。医師の浴野(えきの)さんは、患者認定基準となっていた末梢(まっしょう)神経説に真っ向から挑み、中枢神経に原因があると主張、学会で白眼視されながらも最高裁で採用される。患者認定を求めて裁判闘争を続ける川上さんは、映画の中で90歳となった。小児性患者の生駒さんは症状に悩みながらも、日常生活を営んでいる。胎児性患者のしのぶさんからは…

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