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新作テーマは皇族の縁談 林真理子さんは眞子さん結婚で何を感じたか

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インタビューに答える作家の林真理子さん=東京都千代田区で2021年11月11日、宮間俊樹撮影
インタビューに答える作家の林真理子さん=東京都千代田区で2021年11月11日、宮間俊樹撮影

 世間からは遠く、華やかに見える皇族の世界。だからこそ「ロイヤルウエディング」は国民の関心事だ。作家の林真理子さんは11月、長編小説「李王家の縁談」(文芸春秋)を刊行。戦前、娘たちの縁談に奔走した皇族の梨本宮伊都子(いつこ)妃を描いた。新作に込めた思いに加え、結婚を巡る現代の皇室のあり方について聞いた。【須藤唯哉/学芸部】

創作のきっかけは…

 秋篠宮家の長女小室眞子さんの結婚について、連日のように報道されていたころ、林さんが皇族の縁談をテーマにした新作を発表すると聞いた。絶妙なタイミングの刊行に、記者(須藤)はすぐに取材を申し込んだ。

 眞子さんの結婚が創作意欲を刺激したのだろうか。取材の冒頭で真っ先に尋ねると、あっさり否定された。「この取材を始めたのが3年前。既にご婚約はされていましたけど、その後は(結婚相手の圭さんが)米国に行ってしまったので、雑誌連載中は状況が沈静化していた時でした」と振り返った。

 しかし、周囲からは眞子さんの結婚に合わせたの?という反応が相次いでいるという。「みんなが『すごいタイミングだね』と言うから、『そういえば、そうだな』と気づきました。だから、書いている時は、(眞子さんのことを)本当に考えていなかった。登場人物の誰かを眞子さんのイメージと重ねたこともありません。なぜなら、ここに書いたことは歴史的事実なので」と語る。

 林さんは、かねて皇族・華族に憧憬(しょうけい)の念を抱いていたという。伊都子妃の日記や、秩父宮妃勢津子さまの回想記「銀のボンボニエール」などの関連本を購入し、熱心に読んでいた。「私のような庶民から見ると、本当にお姫様のような物語。東京・赤坂の旧李王家邸の前を通るたびに『こんなところに住んでいたのか』と驚かされます。昔からどんな方々がどんなことを考えていたのだろうと思っていたので、本はよく買っていました」と明かす。

 もちろん、戦前に伊都子妃の長女、方子(まさこ)さんが朝鮮王朝王世子の李垠(イ・ウン)に嫁いだ歴史も知っていたという。「方子さんは他国の皇太子と政略結婚させられて、かわいそうという気持ちしかなかった。でも、この縁談は伊都子さんが先導したものである、と書かれた本を数年前に読んだんです。そしてもう一度、伊都子さんの日記を読み返すと『いろんなところに頼んではかばかしくなかった縁談がようやくまとまった』というような記述があって。どう…

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