オミクロン株、世界で一斉警戒 「強い感染力」性質はなお不明

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南アフリカ・ヨハネスブルクの空港で、パリ行きの航空便を待つ乗客ら=2021年11月26日、AP
南アフリカ・ヨハネスブルクの空港で、パリ行きの航空便を待つ乗客ら=2021年11月26日、AP

 新型コロナウイルスの新しい変異株「オミクロン株」の出現に世界の緊張が高まっている。その性質には依然として不明点も多いが、デルタ株よりも強い感染力が指摘されており、各国は警戒を強めている。

再びマスク着用義務、入国禁止…

 「ワクチン接種を2回受けた人の間でも感染が拡大する可能性がある」。ジョンソン英首相は27日の記者会見でそう話し、追加接種の重要性を改めて訴えた。

 世界最速ペースでワクチン接種を進めた英国では、イングランドで7月に規制を撤廃して以降、行動規制はほぼなくなっていた。だが今回のオミクロン株感染拡大を受け、イングランドの公共交通機関などではマスク着用を再び義務化。北部スコットランドなどでは義務化が続いているため、これで英国全体で一定の規制が復活した格好だ。ウイルスと共生しつつ社会・経済活動再生を模索していたジョンソン政権だが、改めてその難しさが浮き彫りになった。

 各国は「水際対策」も強化している。英国同様に感染者が確認されたイスラエルは27日夜、外国人の原則入国禁止を決めた。オミクロン株の詳細が判明するまでの措置で、少なくとも2週間実施する。

 さらに政府は、国内治安機関のイスラエル総保安庁(シンベト)に携帯電話の位置情報サービスなどを利用して感染者を監視することを許可した。イスラエルでは昨年からシンベトが感染者らの行動確認を実施していたが、市民から「監視は人権侵害」との批判が高まり、今年に入って中止した経緯がある。だが政府はオミクロン株に限り、「限定的に」監視を再開すると決めた。ベネット首相は27日、「我々は不確実な状況下にある。リスクを最小限に抑えて経済を守りたい」と述べ、厳格な対応への理解を求めた。

 イスラエル政府によると、アフリカ東部マラウイからの帰国者1人がオミクロン株に感染し、ほか7人が感染している可能性があるという。この7人のうち3人は最近出国した形跡はなく、国内で感染した可能性もある。政府は感染者の接触者らに自宅待機を指示した。

 イスラエルはワクチンの接種先進国で、人口の4割が既に3回接種を受けている。【ロンドン服部正法、エルサレム三木幸治】

2週間で拡大? 日本も評価引き上げ

 国立感染症研究所は28日夜、新型コロナウイルスの新しい変異株「オミクロン株」を「懸念される変異株」(VOC)に指定し、三つの段階のうち、最も警戒度が高いレベルに引き上げた。26日に、2番目に高い「注目すべき変異株」(VOI)に指定していたが、欧州などの各国で感染例が相次いでいることを受け、リスク評価を引き上げた。

 感染研は、欧州疾病予防管理センター(ECDC)の報告書に基づき、「オミクロン株の変異は、これまで検出された株の中で最も多様性があり、感染の増加やワ…

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