特集

Listening

話題のニュースを取り上げた寄稿やインタビュー記事、社説をもとに、読者のみなさんの意見・考えをお寄せください。

特集一覧

社説

宇宙飛行士の門戸拡大 新時代担う人材の発掘を

  • コメント
  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷

 宇宙飛行士への門戸が、多くの人に開かれる。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、13年ぶりに募集する日本人宇宙飛行士の応募要件を大幅に緩和した。

 従来は、大学理系学部の卒業資格や自然科学系の実務経験が必要だった。だが、3年以上の社会人経験があれば、学歴を問わず受験できることになった。公的機関の宇宙飛行士で「学歴不問」は世界で初めてだ。

 近く始まる有人月面探査に向けて、多様な人材を確保するのが狙いだ。

 活動の場が、国際宇宙ステーション(ISS)から月へ広がろうとしている。今回選ばれる人は、日本人初の月面探査に挑む可能性が高い。

 ISSでの任務は、主に科学実験や機器の操作だった。月面では、長期にわたる活動の拠点を作り、民間企業とも連携しながら探査活動を進める。

 それだけに、文系や理系といった区分けにとらわれず、臨機応変に問題を解決できる人材が求められる。

 女性の登用も課題だ。海外の宇宙機関では、ISSの船長を務めた例もある。日本も過去には女性飛行士がいたが、現役の7人は全員男性だ。

 月面探査には巨額の税金が投じられる予定で、宇宙飛行士の育成にも数億円かかる。多様性を高めることによって、国民の理解や幅広い支持につなげたい考えだ。

 採用人数は若干名だが、ハードルが下がることで多数の応募が想定される。さまざまな候補者の中から、どのように選抜するかが課題になる。求める人材のイメージを明示することが欠かせない。

 有人宇宙開発は、未知未踏の世界を開拓する時代から、宇宙環境を利活用する時代になった。

 今年は民間企業による宇宙旅行が始まった。特別な訓練を受けなくても宇宙に行ける可能性が出てきた。ただし、月面探査などの国際協力で存在感を発揮するには、日本を代表して活躍できる宇宙飛行士が必要だ。

 国家として宇宙飛行士の育成に取り組む重要性は変わらない。その意義を広く国民に説明し、新時代を担う人材を発掘してほしい。

コメント

※ 投稿は利用規約に同意したものとみなします。

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る

ニュース特集