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都市対抗野球2021

社会人野球日本一を決める第92回都市対抗野球大会(11月28日~12月9日)に関する特集サイトです。

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/30 伏木海陸運送 日本一を知るベテラン右腕、活躍の秘訣

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三菱重工名古屋時代の2018年、日本選手権で初優勝に貢献した西納敦史=京セラドーム大阪で2018年11月8日、山崎一輝撮影
三菱重工名古屋時代の2018年、日本選手権で初優勝に貢献した西納敦史=京セラドーム大阪で2018年11月8日、山崎一輝撮影

 11月28日に開幕した第92回都市対抗野球大会。出場全32チームの魅力を担当記者が伝えます。32回連載の30回目は高岡市・伏木海陸運送。「ちょっと困った時の西納」と呼ばれるベテラン右腕に迫りました。<次回は30日午後4時公開予定>

ベテラン右腕を襲った「自意識過剰」

 都市対抗開幕の約半月前。伏木海陸運送の選手たちは、和歌山県田辺市で強化合宿に臨んでいた。5人が並んで投げられるブルペンでは、三菱重工名古屋から今季移籍したベテラン右腕・西納(にしのう)敦史(30)が若手に交じって汗を流していた。北信越2次予選の代表決定戦では最大のライバル、新潟市・バイタルネットに完封勝ちし、本大会出場に導いた。村西徹也監督(36)は「うちを選んでくれて、いい補強になった。若手の見本になります」と信頼を置く。

 右サイドスローの西納はストライクゾーンの四隅への制球力が持ち味で、打たせて取るタイプ。直球は130キロ台半ばで、狙って空振りは取れないが、スライダーやツーシームで凡打を誘うのが生命線だ。

 2018年日本選手権では三菱重工名古屋の初優勝に貢献した実力者。だが、今季は結果が出ない時期があった。村西監督が「他に任せられる投手がいなかった」と言うように、シーズン当初から抑えに固定されたが、チームの期待になかなか応えられなかった。コーチ兼任捕手で同い年の田中翔(30)のサインに首を振っては打たれる場面も目立った。5月の日本選手権北信越予選では、バイタルネットとの代表決定戦で抑えに失敗して同点とされ、チームは延長十一回にサヨナラ負けした。

 西納が当時の心境を振り返る。「“強豪の名古屋から来た投手”と見られていると、勝手に自意識過剰になっていた。抑えてやろうという気負いが空回りしていたと思う」

 不振の一因として、長く所属していた東海地区と北信越地区の「野球の違い」もあった。東海地区は都市対抗2次予選で代表決定戦が複数あり、JABA大会やオープン戦も含めてライバルとの対戦機会が多い。互いに手の内を知り尽くした相手で、西納は「単に裏をかくだけでは浅い。裏の裏まで考える」と語る。

 一方、北信越地区は都市対抗の出場枠が一つで、ライバル同士の本番一発勝負となりやすく、相手の弱点を突くオーソドックスな投球が求められる。そうした野球の違いの対応に遅れ、打たれる試合が増え、日本選手権で予選敗退した。村西監督は「西納を行かせれば大丈夫という、甘い考えがあった。本人には申し訳ないことをした」と反省した。

 その後は先発転向が決まった。田中が「西納は打たせて取る投手。後ろに置くよりも、先発で試合を作ってもらう方が向いている」と進言したという。西納も「負けたことで、いい意味で『自分はすごいピッチャーじゃない。もう一度、一からチームの信頼を勝ち取ろう』と自覚できた」。力みが消えて相手の打ち気をそらすスタイルを徐々に取り戻し、チームの都市対抗出場につなげた。

長く活躍する秘訣(ひけつ)は「信用しない」

 しかし、西納はなぜこれほど重宝され、社会人の第一線で長く活躍できるのか。本人に聞くと、心がけているのは…

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