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宝塚歌劇はなぜファンの心をつかむのか 組制度にある成功のカギ

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花組誕生100周年を記念した「The Fascination!」で華やかに歌い踊る柚香光さん(前列中央)ら=兵庫県宝塚市の宝塚大劇場で2021年11月5日午後3時11分、菱田諭士撮影
花組誕生100周年を記念した「The Fascination!」で華やかに歌い踊る柚香光さん(前列中央)ら=兵庫県宝塚市の宝塚大劇場で2021年11月5日午後3時11分、菱田諭士撮影

 宝塚歌劇団で最も古い花組と月組が誕生して2021年で100周年となった。ミュージカルでは作品ごとに出演者を決めるのが一般的で、劇団員をグループに分けてメンバーを固定する「組制度」のスタイルは他にない。宝塚大劇場の元総支配人、森下信雄さんは組制度を「今のタカラヅカの成功を導いた要因の一つ」とみている。さらに、アイドルをブレークさせるために現代でも使う仕掛けを先取りしていたという。

劇場の新設で増えた組

 そもそも、組制度とはどういうものなのか。宝塚歌劇団は花、月、雪、星、宙(そら)の5組と、ベテラン集団の専科からなる。この並びは、それぞれの組が誕生した順番だ。1914年の初公演の時、団員は約20人の小所帯だったが、少しずつ人気が出て、劇場を増やした21年に花、月組に分けた。その後も東京宝塚劇場を作ったり、公演の回数を増やしたりしたタイミングで組が新たにでき、98年に宙組が誕生して現在の5組になった。約400人が約80人ずつの組に分かれ、新型コロナウイルス禍の前は東西の専用劇場だけで年900回以上の公演をこなしていた。

 組制度は、他のミュージカル興行にはない、宝塚歌劇独自の仕組みだ。例えば「劇団四季」は七つの専用劇場と約700人の俳優を抱え、年3000回以上の公演をするが、作品ごとにオーディションをして出演者を決める。松竹や東宝などの大手も演目ごとに看板となる俳優を主演に招き、その他のメンバーを配置する。

 なぜユニークな組制度が100年も続いてきたのか。…

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