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ALS嘱託殺人事件が社会に投げ掛けた重い問いを、関係者や有識者と考えます。

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ALS嘱託殺人事件/5 「安楽死」論の拡大懸念 大谷いづみ・立命館大教授(生存学研究所副所長) /京都

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大谷いづみ・立命館大教授(生存学研究所副所長)=京都市中京区で2021年11月12日午後6時25分、千葉紀和撮影
大谷いづみ・立命館大教授(生存学研究所副所長)=京都市中京区で2021年11月12日午後6時25分、千葉紀和撮影

 生命倫理を高校や大学で教えて35年になる。コロナ禍で今後も経済格差の拡大が予想される中、この事件を事例に「安楽死」是か非かの二択で論じられていくことを強く懸念している。

 この事件は「安楽死」ではなく「嘱託殺人」だ。限られた報道から判断するしかないが、実行した2人の医師が、片方の父親を10年前に殺害した容疑と併せると、「嘱託」を付けて呼ぶことさえ、はばかられる。

 被害女性が生前、安楽死の合法化を求めていたというSNS(ネット交流サービス)上の言葉ばかりが取り上げられるが、「スイスで安楽死を遂げた日本人女性を追ったNHKのドキュメンタリーを見た後、自殺ほう助への思いを強めていった」という主治医の言葉にも注目したい。

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