見直し進む東京23区の学校選択制 この20年で起きた変化とは

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1997年1月に旧文部省が都道府県教育委員会に出した通知。公立小中学校の学校選択制が広がるきっかけとなった=2021年11月24日午後7時49分、大久保昂撮影
1997年1月に旧文部省が都道府県教育委員会に出した通知。公立小中学校の学校選択制が広がるきっかけとなった=2021年11月24日午後7時49分、大久保昂撮影

 通学する小中学校を校区に縛られずに選べる「学校選択制」。学校が集まる東京23区では、21世紀に入ってから急速に普及した。ただ、近年は見直しの動きも見られる。「学校を取り巻く環境が変わった」というのが理由だ。この20年で起きた変化とは――。【東京社会部/大久保昂】

渋谷区は今年度入学者で廃止

 11月上旬、東京都渋谷区にあるJR山手線の駅構内。午前8時前後になると、通勤客に交じってランドセルを背負った子どもたちが続々と改札を通り、繁華街の一角に建つ区立小学校に向けて歩いて行った。

 学校選択制が広がる東京都心ではしばしば目にする光景だ。だが、渋谷区ではこうした姿が次第に見られなくなる。今年度の入学者を最後に、区が小学校の選択制を廃止したからだ。

 学校選択制はいじめ被害などの特別な事情がなくても、通学区域外の公立小中学校への通学を認める制度だ。規制緩和を求める政府の行政改革委員会が1996年に必要性を提言。翌97年に文部省(当時)が導入を後押しする通知を出したことで全国的に広がった。

 交通網が発達し、学校が密集する東京23区は、全国でも特に普及が進んだ地域だ。まず、品川区が00年度に導入。他の区も後を追い、今では17区が小中学校の両方またはいずれかで実施している。渋谷区も04年度から、小中学校を区内全域から選べるようにした。

 それから20年とたたずに、渋谷区の小学校で終止符が打たれるのは、なぜなのか。区教委学務課の工藤和子課長は「導入当時とは状況が変わった」と語る。

「都心回帰」と「地域連…

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