中村哲さん殺害の真相は 「誘拐失敗で殺害」男の告白と残る疑問

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
中村哲さん(中央)=撮影日時など不明(アフガニスタン東部ナンガルハル州の知事だったシャーマフムード・ミアケル氏提供)
中村哲さん(中央)=撮影日時など不明(アフガニスタン東部ナンガルハル州の知事だったシャーマフムード・ミアケル氏提供)

 アフガニスタンで医療・農業支援に取り組んでいた福岡市のNGO「ペシャワール会」の現地代表で医師の中村哲さん(当時73歳)が東部ナンガルハル州ジャララバードで武装集団の凶弾に倒れて4日で2年を迎える。ガニ政権は事件を解明できないまま8月に崩壊。イスラム主義組織タリバンの統治下で捜査の継続が危ぶまれる中、事件の真相を追った。

誘拐専門の犯罪集団が関与?

 「ナカムラを身代金目的で誘拐する計画だったが失敗し、殺害した。誘拐に反対だったが、命令には逆らえなかった。申し訳なく思っている」。8月、「カユーム・オラクザイ」と名乗る男が毎日新聞通信員の電話取材に明かした。事件当時、隣国パキスタンの反政府武装勢力「パキスタン・タリバン運動」(TTP)の関連グループに所属していたという。

 アフガンとパキスタンを拠点とするそれぞれの通信員と捜査の取材を本格化させたのは2020年8月だった。「当局が重要容疑者を割り出した」。別の通信員が、捜査を担うアフガンの情報機関「国家保安局」(NDS)の関係者から聞き込んだ。

 現地では、地元政治家や軍閥が関与したなど多くのうわさが出回っていた。中村さんが進めたかんがい用水事業に絡む「水利権」が事件の背景にあると説明する内務省幹部もいた。

 同年11月下旬、更なる情報を通信員がつかんだ。…

この記事は有料記事です。

残り2507文字(全文3063文字)

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の筆者
すべて見る

ニュース特集