100年前にもあった海底火山噴火 大量の軽石が示したものとは

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海底火山「福徳岡ノ場」の噴火後、漂流する大量の軽石=沖縄県糸満市の喜屋武岬沖で10月、第11管区海上保安本部提供
海底火山「福徳岡ノ場」の噴火後、漂流する大量の軽石=沖縄県糸満市の喜屋武岬沖で10月、第11管区海上保安本部提供

 小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」の噴火による軽石は、沖縄や奄美(あまみ)群島に被害を及ぼし、伊豆諸島などの海域にも広がり警戒が続く。8月の噴火は戦後最大級の規模だったが、そのおよそ100年前に沖縄・西表(いりおもて)島の北北東約20キロにある海底火山で起きた噴火では、福徳岡ノ場の約10倍の軽石が噴出したという。当時の記録を振り返ると、自然災害がもたらした意外な「恩恵」が見えてきた。【垂水友里香/科学環境部】

 那覇市から南西へ約440キロ、東京―神戸とほぼ同じくらい離れた西表島。その北北東にある海底火山は、関東大震災翌年の1924(大正13)年10月31日に噴火した。噴出物の量は、福徳岡ノ場の約10倍にあたる10億立方メートルになり、東京ドームのおよそ800個分に相当する。0~8の9段階で噴火の規模を示す「火山爆発指数」は、上から4番目の「5」で「4」だった福徳岡ノ場より大きかった。

 西表島のある八重山諸島の海域は、日本に流れ込む黒潮の起点に当たる。当時の海洋気象台の職員、関和男さんは噴火後、大量の軽石が漂流し始めたことを知った。海洋気象台は20年に設立され、海洋観測などをしていた。

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