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爆発するのは芸術だけじゃない スポーツと意外に深く、長い関係

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「ウオールアート」の瞳に近付くと、澄んだ青い瞳の中に、円陣を組む選手、監督、マネジャーらが映っていた=ミズノ提供
「ウオールアート」の瞳に近付くと、澄んだ青い瞳の中に、円陣を組む選手、監督、マネジャーらが映っていた=ミズノ提供

 白と黒のモノトーンを基調とした顔の中でひときわ光る青い二つの瞳は、物言わず語りかけてきた。

 「新型コロナウイルスの感染拡大で、我々は割を食っている。これでも『不要不急』なのか?」

 正体は、コンテナ二つ分、高さ3メートル、幅25メートルの壁にはみ出さんばかりに描かれたウオールアート。場所は、老若男女、多くのサッカー選手が練習場として汗と涙を流してきた「時之栖(ときのすみか)スポーツセンター」(静岡県御殿場市)だ。新型コロナウイルスの感染拡大の影響でこの2年間、大きく活動の場を損なわれた「スポーツ」と「芸術」が今、タッグを組んで情熱を爆発させようとしている。

「人生のエンジンになる」

 御殿場のウオールアートは、スポーツ用品大手のミズノが構想に1年以上を費やして今秋に形を成した。制作者は、オフィスアート会社「OVER ALLs」の画家・山本勇気さん(41)。青春をイメージし青く透き通った瞳の中には、よく見ると人影が描かれている。選手だけではなく、監督やマネジャーらしき姿もあり、それぞれが肩を組んでいる。テーマは「ENGINE=円陣」。「グラウンドで、仲間たちと一緒に苦しい練習を乗り越えた時間は、必ず後の人生のエンジンになる」。そんな二つの意味を込めたという。

 制作には、ミズノブランドアンバサダーで元サッカー日本代表の中村憲剛さん…

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