「原発はグリーンか」EU論戦過熱 反対の独VS推進の仏・中東欧
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原子力はサステナブル(持続可能)なエネルギーか否か。欧州連合(EU)で、環境に配慮した持続可能な経済活動を定義する「タクソノミー(分類)」と呼ばれる規則をめぐり、加盟国の対立が先鋭化している。国際的なルール形成を主導するEUでの議論のゆくえ次第では、国際的な原発マネーの流れや日本のエネルギー政策にも影響を及ぼす可能性がある。
「タクソノミーの完全性、信頼性、有用性を永久に損ねることを懸念する」
ドイツ、オーストリア、ルクセンブルクなどEU加盟5カ国の環境相は11月11日、原子力をタクソノミーに含めることに反対する共同声明を発表した。英グラスゴーで開催されていた国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の会場での出来事だった。
タクソノミー規則は、持続可能な経済活動を定義するEUの法律で、2020年7月に施行された。これまであいまいだった「グリーン」や「持続可能」などの概念に明確な基準を設定。脱炭素化のために効果的な取り組みにお墨付きを与えることで、投資を集中させる狙いがある。また、環境に配慮しているかのようにみせかけて資金を集めるような行為(グリーンウオッシュ)を防ぐ意図もある。
タクソノミーの具体的なリストは、科学的な根拠に基づき、細則で定められる。二酸化炭素(CO2)排出量の多い石炭火力は除外されたが、発電時にCO2を排出しない原子力については、天然ガスと共に加盟国の意見が分かれている。このため、タクソノミーに含めるかどうかの判断は先送りされてきた。
ドイツを筆頭とする反対派は、…
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