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松尾貴史のちょっと違和感

放送タレント・松尾貴史さんのコラム。テレビから政治まで、「違和感」のある話題を取り上げます。

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松尾貴史のちょっと違和感

似顔絵と肖像画 報道と広報の違いに似て

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松尾貴史さん作
松尾貴史さん作

 あまり知られていない言葉だが「折り顔」という造語は私によるものだ。折り紙の手法で人の似顔を表現するアートの呼び名で、もちろん、普及はしていない。忘れた頃、突発的に創作意欲が湧いて個展を開くのだが、観覧される方は楽しんでくださることが多いと自負している。

 さて、「似顔絵」と「肖像画」の違いとは何だろうか。もちろん、似顔絵よりも肖像画の方が精緻な表現で写実的に描かれることが断然多い。高い職人芸的技術を駆使して、描かれる対象の人物の威厳を表し、功績をたたえるような画風にすることが通例だろう。作画する者が、その表現性を前面に出すのは似顔絵であり、肖像画としてはふさわしくないという意見もあるが、作者が「肖像」だと言えば純然たる肖像画なのだろう。

 対して、似顔絵はというと、多くの人が「似ている」という感想を持ったとしても、描かれた本人はそれを認めず、そして喜ばないことが多い。カリカチュア(風刺画)の要素が強くなることも多く、特徴をデフォルメするので、実際の顔のバランスが違ってしまうことも多いし、その特徴自体、本人が弱点、欠点だと思っている場合も多いだろう。そこを大げさに表現されるのだから、喜ぶはずがない。

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