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北海道東部にある陸上自衛隊矢臼別演習場の中には民有地があって、民間人の家がある。売り渡しを拒否した地権者の意思を引き継いで住み続け、演習を監視し反戦運動の拠点となっている。運動はすでに60年近く続く。ということを、ドキュメンタリー映画「矢臼別物語 北の大地からのメッセージ」を見て知った。
山本洋子監督は、1980年代半ばに初めて矢臼別を訪れ、2014年からカメラを回し始めた。毎年夏の「平和盆おどり」が50回を迎えたことがきっかけという。「演習場に人が住んでいるのがまず驚き。しかも運動といっても拳を振り上げて反対を叫ぶのではなく、訪ねるとホッとする空気があって誰でも受け入れてもらえる」。盆踊りは全国から人が集まって和気あいあいと夏の1日を過ごす。参加者は「ここに来ることが平和運動」と楽しげに口にする。山本監督は「たけだけしさよりたおやかさが、運動継続の理由では」と話すのである。
この作品、東京・ラピュタ阿佐ケ谷の特集上映「『基地』の街から」の1本。同館は旧作上映館で、新作の「矢臼別物語」を上映するのに合わせて、米軍や自衛隊の基地を描いた53~70年の9作品を集めた。
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