「バラマキ」35兆円 首相、正当化に躍起 安保・憲法で保守派配慮

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衆院本会議で所信表明演説をする岸田文雄首相(手前左)=国会内で2021年12月6日午後2時20分、竹内幹撮影
衆院本会議で所信表明演説をする岸田文雄首相(手前左)=国会内で2021年12月6日午後2時20分、竹内幹撮影

 岸田文雄首相は6日の所信表明演説で、格差是正で中間層を拡大する「新しい資本主義」の説明に注力し、分配強化が「持続可能な経済につながる」と強調した。だが、早期成立を目指す2021年度補正予算案には「バラマキ」批判も根強くあり、分配を次の成長につなげる道筋は十分に見えてこない。外交・安保や改憲をめぐっては党内保守派への配慮も目立ち、首相にとって初の本格論戦となる臨時国会で「岸田カラー」をどこまで発揮できるかが焦点だ。

「岸田カラー」の分配、党内でも懐疑

 今回の演説の文字数は約8900字で、10月の演説の6960字を大きく上回った。自民党政権で8000字を超えるのは、2006年9月の安倍晋三首相以来だ。官邸関係者は「国民の関心が高い新型コロナウイルス対策、岸田首相の思い入れが強い『新しい資本主義』の分量が増した」と説明する。

 「人への分配は『コスト』ではなく、未来への『投資』だ」。首相は衆参各本会議での演説で、看護や介護、保育、幼児教育で働く人の給与を引き上げると強調。前回演説で1度にとどまった「賃上げ」というワードを8度も使い、税制や補助金などを通じて民間企業の賃金増を後押しする方針を示した。

 また、首相は市場や競争に委ねすぎた新自由主義的な考え方が格差や貧困の拡大などの弊害につながったと指摘し、「成長の果実を分配し、消費を喚起することで次の成長につなげる」と、自身の看板政策への理解を呼びかけた。

 だが、首相の意欲とは裏腹に、各分野の施策が網羅的に並ぶ補正予算案は歳出35兆円と過去最大で、看護職などの賃上げ策は埋没気味だ。目玉となる18歳以下への10万円相当の給付策に対しては「子ども支援なのか、困窮者支援なのか政策目標が曖昧だ」などの「バラマキ批判」がつきまとい、財政規律の緩みも指摘されている。

 こうした批判に対し、…

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