構成要件、時効…性犯罪厳罰化で賛否鋭く対立 法制審議論

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法制審議会性犯罪関係部会の初会合=東京・霞が関で2021年10月27日、山本将克撮影
法制審議会性犯罪関係部会の初会合=東京・霞が関で2021年10月27日、山本将克撮影

 性犯罪を被害の実態に応じて厳罰化する法制度の見直しが法制審議会(法相の諮問機関)に諮問され、部会での議論が行われている。刑法の規定の大改正につながる可能性があるが、議論は賛否が鋭く対立している。着地点は見いだせるか。【山本将克】

 「対等ではない立場でノーを言えない状態に追い込んで、同意のない性行為をした場合に適切に処罰できる法改正を期待する」。10月27日、法制審議会の部会初会合。委員の一人は議論の狙いをこう強調した。

 議論は、性暴力を受けた当事者らが「同意のない行為が処罰されていない」と声を上げたことから始まった。被害者らでつくる一般社団法人「Spring」の代表理事、佐藤由紀子さんは「刑法の規定は、性暴力被害の実態と乖離(かいり)があった。実態に沿った法改正につなげてほしい」と話す。最も関心を寄せるのが、構成要件の見直しだ。

 性犯罪の規定は同意がない性的行為を罰するためにある。だが、同意があったかどうかは、内心に関わる問題のため、証明が難しい。このため刑法は、同意がないことを特定するため、強制性交等罪などに「相手の抵抗を著しく困難にする程度の暴行や脅迫を加える」、準強制性交等罪などに「心神喪失や、抗拒不能(身体的・心理的に抵抗するのが著しく難しい状態)に乗じる」との要件を設けている。

 法制審では、この要件の緩和が議論される。佐藤さんも「現在の要件は不十分」と言う。

 Springが2020年に実施した被害当事者へのウェブ調査では、加害者の言動や被害時の状態について、「だまされて誘導された」「自分に行われていることが何かよく分からない状態だった」「体が動かなかった」――などの回答が寄せられた。現在の規定では、こうした場合は、要件に当たらないとして処罰されない可能性がある。海外には、相手の意に反した性的行為を一律に処罰する「不同意性交罪」を導入する国もあり、佐藤さんは日本での導入を求めている。

 また、同意のない性的行為と認められる類型を細かく示し、どういった場合に処罰されるかを国民に周知すべきだと訴える。例えば、加害者が脅迫まではいかない威迫や、相手をだます欺罔(ぎもう)の手段を使った場合や、被害者が恐怖やショックで硬直したり、…

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