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新型コロナウイルスの猛威のあおりを受けた1年だったが、厳しい状況をはね返すかのように、骨太の人間ドラマや心温まる好舞台は少なくなく、演劇の底力を見せつけた。
1月と4月に緊急事態宣言が発令され、公演中止や延期が相次いだことは、演劇界にとっても打撃となっている。観客数の制限も重なり、日本芸能実演家団体協議会が実施したアンケート調査によると、実演家やスタッフの2021年の年収は19年と比べて52・7%へ、芸術団体の収入は61・2%へ落ち込んでいる。コロナ禍の影響は長期に及ぶとみられ、公演への事業助成だけでなく、創作に関わる人材や組織への支援は急務といえる。
世の中に閉塞(へいそく)感が漂う中、舞台上に人間の生の有り様をまざまざと見せつける演劇は、時代に風穴を開けようとする原動力にも、人びとの心のオアシスにもなった。
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