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ウクライナ侵攻

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から1年。長期化する戦闘、大きく変化した国際社会の行方は……。

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試されるバイデン外交 予測不能の露、よぎる「クリミアの失敗」

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バイデン米大統領(左)とプーチン露大統領
バイデン米大統領(左)とプーチン露大統領

 バイデン米大統領とプーチン露大統領は7日、オンライン形式で会談し、緊迫するウクライナ情勢で応酬した。トップ同士の直接対話は緊張緩和につながるのか。双方の思惑を探った。

米「実施しなかったこと行う準備」

 「世界が首脳会談でより安全になるのかはロシアの行動次第だ」。会談に同席したサリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は終了後の記者会見で、トップ同士の直接対話の重要性を強調し、事態収拾に向けたロシア側の歩み寄りに期待を寄せた。

 ウクライナ情勢の緊張が急激に高まったのは今秋以降だ。米メディアはウクライナ国境付近に集結したロシア軍の戦車などの衛星写真やソーシャルメディアに投稿された映像などを相次いで報道。約9万人の部隊が展開されているとみられており、米紙ワシントン・ポストは、米情報機関の分析として、ロシア軍が17万5000人まで増員し2022年1月に武力侵攻を計画していると伝えている。

 ロシアは今春にも10万人超の部隊をウクライナ国境付近に集結させた。バイデン政権発足から間もない時期で、ウクライナの「後ろ盾」となる米国の出方を試したとの見方もあるが、4月にあったバイデン氏とプーチン氏の電話協議を機に一部が撤収し事態は沈静化。バイデン氏は今回のトップ会談でも改めて局面を打開したい考えだった。

 一方で、バイデン氏には苦い記憶もある。…

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【ウクライナ侵攻】

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