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オミクロン株 「保護膜」獲得でエアロゾル感染しやすくなった?

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エアロゾルに見立てた煙で空気感染の状況を再現した実験=愛知県立大提供
エアロゾルに見立てた煙で空気感染の状況を再現した実験=愛知県立大提供

 新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の世界での感染拡大が止まらない。新型コロナは、空気中を漂うウイルスを含む微粒子を吸入してうつる「エアロゾル感染」(空気感染)を起こすことが知られているが、海外ではこの株が自身をより強く守る「保護膜」を手に入れたとする報告もある。今夏の「第5波」をもたらした「デルタ株」より感染力を長く保つ可能性も指摘されるが、オミクロン株はよりエアロゾル感染しやすいのだろうか。【林奈緒美】

航空機で少なくとも13人が感染

 新型コロナの感染経路は、感染者が呼気やせきとともに吐き出し、ウイルスを含んだ微粒子(エアロゾル)を吸い込んで感染する「エアロゾル感染」だ。感染者から近いほどエアロゾルは濃くなるが、換気不足の屋内などでは長く遠くまで漂うため、離れていても感染するリスクがある。エアロゾルは空気中に浮遊する微粒子全てを指しており、結核や麻疹の感染経路である「空気感染」もエアロゾルを吸い込むことで起こるため、エアロゾル感染と言える。

 オミクロン株でも、このエアロゾル感染が起きていることを示す感染事例が相次いで報告されている。香港のホテルでは、オミクロン株に感染していた南アフリカからの渡航者から、廊下を挟んで向かいの部屋にいた宿泊者に感染した。南アからオランダに到着した航空機でも、乗客計約600人のうち61人がコロナ陽性と分かり、このうち13人のオミクロン株への感染が確認されている。

 感染制御が専門の愛知県立大の清水宣明教授は「従来株でもエアロゾル感染は起きている。(クルーズ船)ダイヤモンド・プリンセスや病院では空調の性質からウイルスを含む古い空気が再循環を繰り返し、部屋が別でも多くのクラスター(感染者集団)を出した。香港のホテルや飛行機の詳しい換気の状態を調べる必要はあるが、オミクロン株でもエアロゾル感染は起きているとみて間違いない」と指摘する。

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