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山陰・ロシア沿海地方交流30年/1 先人の人間愛、次世代へ 漂着ロシア兵の墓守る

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ロシア兵の墓に手を合わせる佐倉真喜子さん。2007年にはロシア語のプレートも設置された=西ノ島町で2021年11月29日午前10時36分、萱原健一撮影
ロシア兵の墓に手を合わせる佐倉真喜子さん。2007年にはロシア語のプレートも設置された=西ノ島町で2021年11月29日午前10時36分、萱原健一撮影

 日本海に浮かぶ隠岐諸島の西ノ島町。後鳥羽上皇や後醍醐天皇の配流(はいる)の史跡があるこの島の墓地の一画に「露兵二名之墓」と刻まれた墓石がある。日露戦争の日本海海戦(1905年)で亡くなり、漂着した敵のロシア兵の遺体を島民たちが手厚く埋葬した。「先人の人間愛を次の世代に伝えたいんです」。今も地域住民が守り続ける墓の前で、佐倉真喜子さん(85)=西ノ島町美田=は語った。

 日本海海戦は日本の連合艦隊とロシアのバルチック艦隊が対馬沖で激突し、多数のロシア兵の遺体が島根県内に漂着した。2005年の海戦100年を機に佐倉さんは墓に思いを致し、06年に町民講座を開いて先人の行いを学び直した。07年、ウラジオストクであった芸術の祭典・ビエンナーレに初めて参加。シンポジウムでロシア兵の墓の話をすると、極東工科大の教授らが「知らなかった」と声を掛けてきた。教授らは3カ月後、島を…

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