子ども給付の所得制限は不公平? なぜ「世帯収入」ではないのか
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18歳以下の子どもへの10万円相当の給付策を巡り、政府が設けた「年収960万円未満」という所得制限の仕組みに批判が出ている。専業主婦がいる世帯は収入が制限を上回ると支給を受けられない一方で、それより世帯全体の収入が多い共働き世帯は給付の対象になるためだ。結局、政府は自治体が独自に所得制限を撤廃するのを認める姿勢に転じた。そもそもなぜ、このような所得制限を設定しているのか。背景を探った。
「お金がほしいわけではないが、納得がいかない」。東京都板橋区の会社員の男性(41)は、今回の給付政策に首をかしげる。男性は、専業主婦の妻(43)と長女(2)と3人暮らし。男性の年収が960万円を超すため、給付金は支給されない見通しだ。「子育て支援なのかコロナ対策なのかはっきりしないのがそもそも問題。子育て支援なら所得制限を設けるのはおかしいのでは」と話す。
「年収960万円未満」という所得制限のラインは、子ども2人と年収103万円以下の配偶者がいる世帯の目安だ。実際には子どもの数などで変わる。
この仕組みで支給対象か否かを判断する基準となるのは「主たる生計者」の収入だ。世帯全体の収入ではない。
そのため、男性会社員のように夫だけが働き年収960万円以上の場合は支給の対象外になるが、夫婦ともに年収800万円で合計1600万円の収入がある世帯は対象になる。
これに対し…
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