ボクシング界の「怪物」井上尚弥 主要4団体統一にこだわる理由

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2年ぶりの国内での防衛戦に臨む井上尚弥(代表撮影)
2年ぶりの国内での防衛戦に臨む井上尚弥(代表撮影)

 世界ボクシング協会(WBA)、国際ボクシング連盟(IBF)バンタム級統一王者の井上尚弥(28)=大橋=が14日、東京・両国国技館で国内では約2年ぶりとなる世界戦を行う。IBF同級5位のアラン・ディパエン(30)=タイ=と対戦する防衛戦だ。井上尚は「来春の(他団体王者との)統一戦に照準を合わせる」と語り、今回の試合を「主要4団体統一」への通過点にしたい本音をのぞかせる。なぜ4団体統一にこだわるのか。

「テレビでいいや、と思われたら駄目」

 井上尚は2018年にWBAバンタム級王者となり、日本最速のデビュー16戦目で世界3階級制覇を果たした。同年からは、異なる団体の世界王者ら選ばれた8人が参加して「階級最強」を決める「ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ」(WBSS)トーナメントに参戦。19年11月の決勝でWBAスーパー王者(当時)のノニト・ドネア(フィリピン)を激闘の末に判定で破り、同級の初代王者となった。「モンスター」と呼ばれる井上尚が、世界的な知名度を得た瞬間だった。

 だが、「階級最強」を決める大会を制したことが、ボクシング界で真に「最強」を意味するかといえば、必ずしもそうではない。真の「階級最強」の証明には「主要4団体統一」が必要だ。少なくとも、井上尚自身はそれを目標にしていた。

 WBSS制覇の興奮が冷めやらぬ中、19年12月に横浜アリーナでWBAミドル級タイトルマッチが行われた。王者の村田諒太(35)=帝拳=が同級8位の選手を降して防衛したのを会場で見届けると、井上尚は少し怒気を感じさせるほどの熱さで語った。「4団体ある中で、誰が一番強いのかを分からせないとボクシング人気も上がっていかない。お客さんが『強い者同士が戦うのを見たい』と思っているからこそ、大きな会場でやる意味がある。『テレビでいいや』と思われたら駄目」

 ボクシング界はWBA、IBF、世界ボクシング評議会(WBC)、世界ボクシング機構(WBO)が主要4団体として並び立つ。1960年代にWBAからWBCが分離し、83年にIBF、88年にWBOが発足した。日本ボクシングコミッション(JBC)は世界王座の権威を守るため、当初は新興のIBFとWBOを承認しなかったが、13年に両団体に加盟したことで日本選手が世界戦に臨む機会が増えた。

 だがその結果、…

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