連載

特集ワイド

「人だかりがする」ニュースを目指して、読み応え十分の記事をラインアップ。

連載一覧

特集ワイド

ノーベル賞・真鍋さん 米国籍で漢字表記、なぜ? 「日本人」線引きの違和感

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
ノーベル物理学賞のメダルを手に笑顔を見せる真鍋淑郎・米プリンストン大上席気象研究員=米ワシントンの科学アカデミーで2021年12月6日、共同
ノーベル物理学賞のメダルを手に笑顔を見せる真鍋淑郎・米プリンストン大上席気象研究員=米ワシントンの科学アカデミーで2021年12月6日、共同

 地球温暖化予測の礎を築き、今年のノーベル物理学賞に選ばれた真鍋淑郎・米プリンストン大上席気象研究員(90)。その真鍋さんに対し「日本人として誇らしい」という称賛の声が上がっている。でも、ちょっと待ってほしい。真鍋さんは米国籍を持つ、正真正銘の米国人である。こういう時だけ「日本人扱い」するのはどうなのか。なんだか違和感を覚えた。

 「ドクター、シュクロウ・マナベ」。6日(日本時間7日)、米ワシントンの科学アカデミーで、自身の名がアナウンスされた真鍋さんがノーベル物理学賞のメダルと賞状を受け取ると、会場からは大きな拍手が起きた。

 愛媛県出身の真鍋さんは東京大で博士号を取得後の1958年に渡米。以来、ほぼ一貫して米国で研究生活を送ってきた。「日本では人々は常に他人に気を使い、調和を保つ。アメリカでは他の人がどう思っているか気にせず、やりたいことができる。私は調和を保つのが苦手なので日本に戻りたくなかったのです」。受賞決定直後の記者会見では、日本に戻らず国籍も変えた理由についてこう語った。米国での暮らしがよほどしっくりくるのだろう。

 一方、日本では岸田文雄首相が「日本人として大変誇らしい」と述べるなど、真鍋さんを「日本人」として称賛する言動が目につく。メディアもまたしかりだ。米国籍取得者を含むという注釈をつけてはいたが、「日本人のノーベル賞受賞者は28人目」と報じたところもある。自国出身者の快挙だから、当然と言えば当然なのかもしれない。でも、どうにもモヤモヤする。そもそも米国籍の日本人って何だ?

この記事は有料記事です。

残り2142文字(全文2796文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る
この記事の筆者
すべて見る

ニュース特集