野党の攻撃かわすも…首相の「先手と低頭」 くすぶる不安要素
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岸田文雄首相は13日、就任後初めての「一問一答」形式となる衆院予算委員会での論戦に臨んだ。混乱を呼んだ18歳以下への10万円給付や政党支部による雇用調整助成金受給問題を巡る野党の追及を「先手と低頭」戦術でかわしたが、柔軟さの一方で政権のブレや迷走が目立ち始め、不安要素も抱えている。
首相、無難に乗り切ったが…
「今日まで地方自治体からさまざまな意見、本当に多くの意見を頂いてきた」
首相は自民党の高市早苗政調会長への答弁で、18歳以下への10万円相当給付について全額現金での一括給付を認める考えを表明した。政府はこれまで、5万円分は来春にクーポンで配布することを基本とし、地方自治体が全額現金で給付するには「特別な事由」が必要と説明してきたが、方針転換した。
「事務負担が大きい」などとして自治体から反発が噴出した10万円給付問題は、野党が政権追及のため照準を合わせた論点の一つだったが、首相はその機先を制し、午前中の与党との質疑で全額現金容認を自ら宣言した。
雇用調整助成金の受給問題で批判を浴びた石原伸晃内閣官房参与については、予算委前の10日に辞任を発表。13日の予算委で立憲民主党の小川淳也政調会長に「首相の任命責任をどう考えるのか」と迫られると、首相は「混乱は否めない。申し訳ない」と陳謝した。拍子抜けした様子の小川氏はそれ以上の追及をしなかった。
「先手と低頭」戦術で一問一答の論戦を無難に乗り切ることができたも…
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