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ツイッターは「良心すらのみ込む」 作家・温又柔さんの卒業理由

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ツイッター上の議論について「白か黒かに振り切れやすい」と語る作家の温又柔さん=東京都千代田区で2021年11月11日、内藤絵美撮影
ツイッター上の議論について「白か黒かに振り切れやすい」と語る作家の温又柔さん=東京都千代田区で2021年11月11日、内藤絵美撮影

 「もう、限界だなと思ったんです」。作家の温又柔(おん・ゆうじゅう)さん(41)が10月、ツイッターでの積極発信をやめた。台湾で生まれて日本で育った自身のルーツに向き合う小説を書き、ツイッターでは、差別やジェンダー、格差などの社会問題について積極的に発信してきた。それなのに、なぜツイッターをやめたのか。ツイッターという言論空間について今、何を思うか。温さんに聞いた。【塩田彩/デジタル報道センター】

台湾と中国、日本を巡って応酬

 <素敵なこともたくさんあったけれど、それを上回ることが、くやしいけれど、ほんとにほんとに辛かった>

 <TwitterJapan(ツイッタージャパン)はたぶん企業としてこの状況を恥じてない。だから見切りをつけます>

 10月中旬、温さんは自身のツイッターにそう書き込んだ。日本と台湾、中国の関係について、他の利用者と応酬した末の「離脱宣言」だった。

 以来、温さんはインターネットでの発信の場を、主に自分のブログに移した。約1万6000人のフォロワーがいるツイッターアカウントは残しているが、ほとんどログインしていないという。

 11月中旬、東京都内で、温さんにこの間の経緯を聞いた。

 温さんがツイッターをやめるきっかけの一つとなった10月上旬のやり取りは、相手がアカウントを削除したため見られなくなっている。…

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