自動車業界の「脱炭素」主導できるか トヨタに問われる覚悟
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トヨタ自動車が、電気自動車(EV)の販売目標を大幅に引き上げた。これまで「EVに後ろ向き」と評されてきたが、EVへの積極姿勢をアピールする方針に転じた形だ。脱炭素に向けた世界的な流れが強まる中、欧米メーカーを中心に競うようにEVシフトを打ち出しており、世界トップメーカーであるトヨタの本気度が問われている。
350万台「とてつもない」
「350万台とは、独ダイムラーやスズキ(の年間販売)をすべてEVにできる規模。とてつもない数字だ」。14日、東京都内で記者会見した豊田章男社長は会場に用意した16台の新型EVをバックに2030年の販売目標をアピールした。
これまでトヨタの目標は、年間販売台数約1000万台のうちEVと燃料電池車(FCV)を30年に計200万台とするものだった。残りは、得意とするハイブリッド車(HV)を中心にガソリン車で占める「全方位戦略」を掲げてきた。 ボストンコンサルティンググループの予測では、35年時点の世界新車販売台数のうち、EVは最多の45%を占めるが、構造が比較的簡素なHV「マイルドハイブリッド車」が26%、HVの12%がこれに続き、ガソリン車も11%残る。トヨタの戦略も一定の説得力がある。
業界団体の日本自動車工業会のトップ…
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