空港目前、妻はテロで…「逃げたい」楽器奏者嘆き アフガン混乱
- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

アフガニスタンでイスラム主義組織タリバンが8月に20年ぶりに復権して以降、国の経済や社会は混乱を極めている。さらに、タリバンと敵対する過激派組織「イスラム国」(IS)系の「ISホラサン州」(IS―K)はテロ攻撃を活発化。タリバンの統治能力への懸念は高まっている。【カブールで松井聡】
「今日の稼ぎは60アフガニ(約65円)。明日も1食しか食べられない」。首都カブール中心部の市場。ザビフラさん(45)が寒さと乾燥でひび割れた両手をこすりながら、荷物運びの依頼が来るのを待っていた。市場には商品がふんだんに並んでいるが、客はまばらだ。経済苦境で買い物に来る人がいないのだ。
ザビフラさんはアフガン伝統の弦楽器「ラバーブ」の奏者。結婚式などに呼ばれて演奏し、多い時には月に2万アフガニほどの収入があった。裕福ではないが、妻と4人の子供、高齢の実母を養うことはできた。
だが、8月15日にイスラム主義組織タリバンがカブールを制圧して生活が一変した。タリバンは旧政権時代(1996~2001年)に音楽を禁じていた。
…
この記事は有料記事です。
残り2463文字(全文2917文字)
時系列で見る
-
中露など周辺7カ国、タリバンの統治努力を肯定 外相会合
311日前 -
タリバン「私が招き入れた」 首都陥落、カルザイ氏証言にガニ氏は…
356日前 -
タリバン復権半年、人道危機深刻化 国際社会は制裁との両立ジレンマ
357日前深掘り -
米国、アフガン中央銀行の凍結資産で人道支援へ タリバンは批判
359日前 -
遠い融和と統合 実感したタリバンと向き合うことの難しさ
397日前 -
音楽やめろ、女性雇うな…タリバンの要求にラジオ局代表の決断は
406日前 -
「また遺体が…」仲間から届くメッセージ 報復おびえる元兵士
412日前 -
タリバン批判のアフガン国連大使が辞任 「自信を失った」
415日前 -
タリバン報道官「日本と特別な関係を築きたい」 本紙インタビュー
415日前 -
空港目前、妻はテロで…「逃げたい」楽器奏者嘆き アフガン混乱
418日前深掘り -
母「神に祈るしか」 栄養失調の子供急増、迫る冬 アフガンは今
418日前動画あり -
「哲ちゃんの遺志、ずっと続けて」 中村医師殺害2年で追悼の会
436日前動画あり -
アフガン女性へ真の支援を タリバン=悪では解決しない/彼らの価値観に寄り添って
438日前注目の連載 -
アフガンで「勧善懲悪省」が復活 20年前は国際社会から非難の的
440日前 -
タリバン「恐怖政治」の象徴、勧善懲悪省が女優出演ドラマの放映禁止
440日前 -
「1歳娘、3万円で売った」深まる人道危機 タリバン制圧3カ月
447日前 -
「タリバンでも…」うわべの平和 アフガン出国の男性、母国案じ
448日前 -
アフガン情勢巡り関係国が外交活発化 タリバンとの関係、各国の思惑
451日前 -
アフガン、どう支援
451日前注目の連載