「乗って帰れます」 電動スケーター「違法」販売の現場を歩いた

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歩道を走る電動キックスケーターの利用者=東京都渋谷区で2021年10月8日午後4時58分、柿崎誠撮影(画像の一部を加工しています)
歩道を走る電動キックスケーターの利用者=東京都渋谷区で2021年10月8日午後4時58分、柿崎誠撮影(画像の一部を加工しています)

 最近、立ち乗り二輪車「電動キックスケーター」に乗る人を街角で見かけるようになった。電動スケーターは道路交通法上、原付きバイクと同じ扱いで、乗車には運転免許が必要だ。ナンバープレートも付けなくてはいけない。しかし、そうした説明を顧客にせずに売っている店もあるという。販売店をのぞいてみた。

 東京都内のスポーツ用品店を訪れると、店先に2台の電動スケーターが置かれていた。値札を見ると、価格は約4万~6万円。最高時速はともに約25キロで同じだ。男性店員に値段の違いの理由を尋ねると、「タイヤが大きい方が安定性が高いので、価格が高くなっています」と説明を受けた。

 ただ、車両を見ると、ミラーやヘッドライト、ウインカーなどはなく、道路運送車両法で定められている保安基準も満たしていないようだ。ナンバープレートの取得や運転免許、自動車損害賠償責任(自賠責)保険の契約などの説明もない。

 記者がこのまま乗って帰ってもいいのかと尋ねると、「そうですね」と笑顔を見せた。しかし、このまま乗車すれば、間違いなく道交法と道路運送車両法違反になるだろう。「他に準備するものはないですか」と重ねて確認すると、店員は初めてこの車両が公道を走れないことを認めた。その上で「路上は走れないので、お巡りさんがいたら、降りちゃう、逃げちゃうとか。街中を走るにはナンバープレートやウインカーが必要だが、この機種には後付けできない」と説明した。「街中を走りたかったら裏道ですよ」

 一方、別の店を訪問すると、…

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