
日韓関係は1965年の国交正常化以降で最悪と言われるほど悪化している。一方で、日本で韓国文化に親しむ人は増え、特に若年層には音楽や料理、文学と幅広い分野で人気だ。このためここ数年、日韓の識者の間では、若者たちが関係改善に向けた役割を果たしてくれるのではないか、との期待が高まっている。
私はこの見方が正しいのかどうか、さまざまな学生たちに尋ねてみた。かつて韓国の若者に同様の期待を抱いたものの、楽観的すぎたと痛感した経験があるためだ。私がソウルに駐在した2013~18年、韓国では若年層を中心に日本旅行が大ブームになり、対日感情は好転していた。だが19年の日本の対韓輸出規制を機に訪日客は激減し、国民感情も悪化してしまった。
取材を通じ、日本の若者たちも文化を入り口に韓国に好意を抱いたものの、歴史問題にどう向き合えばよいのかと当惑している姿が浮き彫りになった。
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