書き換え「慣習継承」 一斉点検でも発覚せず 国交省、統計二重計上

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国土交通省が入る中央合同庁舎第3号館=本橋和夫撮影
国土交通省が入る中央合同庁舎第3号館=本橋和夫撮影

 国の基幹統計「建設工事受注動態統計」を巡って、国土交通省が建設業者の提出した調査票を無断で書き換えるなどして二重計上していた。なぜこうした事態が8年にわたり明るみに出なかったのか。正確さを欠いた基幹統計はどういった悪影響を及ぼすのか。政府・与党は幕引きを図るが、野党は反発している。

「悪意はなかった」強調

 「古くからの慣習をそのまま継承してしまった」「書き換えは修正の範囲だと考えた。書き換えが統計法に違反するという認識はなかったのではないか」

 基幹統計の書き換えと二重計上が発覚した15日。国交省の担当者は、集まった報道陣に対し、過去の経緯を把握していないとの立場を取りながら、「悪意はなかった」との認識を重ねて強調した。

 今回発覚した書き換えと二重計上の前提となったのは、建設工事受注動態統計に使用する調査票を提出していない建設業者への対策だった。まずは期限を過ぎてから業者が提出した調査票の数値について、回収した当月分の数値に合算していた。さらに調査票を提出した他業者の平均を推計値として未提出業者のデータに計上していた。

 国交省は、いずれも未提出の業者の実態を少しでも反映しようとのねらいがあったと説明している。

 だが、前者については合算の際、当月分以外の調査票の記載内容を消して空欄にする形の書き換えを、国交省側が都道府県に指示していたという。調査票の原本に手を加える行為であり、批判は免れない。

 それでも、書き換えと二重計上は8年にわたり続いた。この間の2018年12月には、「毎月勤労統計」の不正調査が発覚し、基幹統計のあり方が問題になった。総務省による基幹統計の一斉点検も実施されたが、状況は変わらなかった。この点について、国交省の担当者は「(一斉点検の)調査項目に書かれていたことに関しては問題はなかった。実務上の事務作業として行われていたこともあり、指摘されなかったのでは」と分析する。

 風穴を開けたのは会計検査院だ。今年9月に公表した報告書…

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