追悼の日の公園に警察官 9月1日の風景が語るものは

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関東大震災の朝鮮人犠牲者追悼式典に隣接した「そよ風」の「慰霊祭」会場。「そよ風」の19年の集会で出た発言が都によりヘイトスピーチと認定されている=関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式で2021年9月1日、後藤由耶撮影
関東大震災の朝鮮人犠牲者追悼式典に隣接した「そよ風」の「慰霊祭」会場。「そよ風」の19年の集会で出た発言が都によりヘイトスピーチと認定されている=関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式で2021年9月1日、後藤由耶撮影

 1923年の関東大震災で虐殺された在日朝鮮人を追悼する式典が、9月1日に東京都墨田区の横網町公園で開かれた。この日、同じ公園で別の団体が震災犠牲者の慰霊祭を開き、「日本人が無抵抗な朝鮮半島出身者を大虐殺したという虚偽の歴史認識こそ、日本を世界から孤立させ、卑屈な贖罪(しょくざい)意識に追い込む元凶だ」と主張していた。追悼式と慰霊祭の間はフェンスで区切られ、警察官が警備していた。憩いの場であるはずの公園の風景がこの日は異様にものものしい。その背景にあるものを考えた。【南茂芽育/社会部】

ふたつの式典

 追悼式は、朝鮮人犠牲者追悼碑の前で行われた。主催する「日朝協会」などの関係者らが集まり手を合わせた。民族衣装に身を包んだ女性も参加し、読経や献花などが続いた。宮川泰彦実行委員長は「98年前の震災時になぜあのような過ちを犯してしまったのか、分析し振り返って反省することが大切だ」と訴えた。

 追悼碑には朝鮮人虐殺についてこう刻まれている。「この事件の真実を識(し)ることは不幸な歴史をくりかえさず、民族差別を無くし、人権を尊重し、善隣友好と平和の大道を拓(ひら)く礎となると信じます」

 一方、慰霊祭は「そよ風」という団体などによって追悼式から数十メートル離れた場所で開かれた。会場の立て看板には…

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