米の竜巻、別次元「建物が全て崩れ落ちた」 夜間で逃げ遅れ多数か

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竜巻で破壊された自宅をぼうぜんと見つめる人々=米南部ケンタッキー州で2021年12月15日、AP
竜巻で破壊された自宅をぼうぜんと見つめる人々=米南部ケンタッキー州で2021年12月15日、AP

 米南部や中西部を広範囲に襲った竜巻は、10日夜~11日未明の発生から1週間となる。被害が深刻だった南部ケンタッキー州を中心に、16日までに死者は計89人に上っている。被害はなぜ拡大したのか。【隅俊之(ニューヨーク)、三股智子】

 「(気圧差で)耳がキーンとなり、建物が前後に揺れて全てが落ちてきた」。ケンタッキー州メイフィールドのろうそく工場で、建物の下敷きになり負傷した従業員のキアナ・パーソンズペレズさん(40)は米メディアの取材にそう振り返った。工場は竜巻の直撃を受けて全壊。人口約1万人の町は、竜巻が通過した場所が廃虚と化した。

 ろうそくの需要が増えるクリスマスを前に、工場は24時間態勢で稼働していた。パーソンズペレズさんは10日午後6時ごろに出勤。国立気象局は午後3時ごろには注意報を発令し、他の従業員の話では、けたたましいサイレンが周辺に鳴り響いていたという。国立気象局は夜にかけて同州西部の複数地域に警報を発令。午後9時10分には「今すぐシェルターに避難を」と呼びかけた。

 竜巻が工場を直撃したのはその約20分後だ。パーソンズペレズさんは建物中央付近の避難エリアにいたが、突然落ちてきた天井の下敷きになり、冷水機に足を挟まれて身動きがとれなくなった。工場は崩落し、当時働いていた110人のうち8人が死亡した。

 注意報・警報が繰り返し発令され、大半は避難していたにもかかわらず、なぜ大規模な被害を生んだのか。米紙ワシントン・ポストは、竜…

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