「牛か魚がないと負け」 ふるさと納税、返礼品やめた市長の覚悟
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ふるさと納税の返礼品を全国の自治体が激しく競い合っていた4年前、埼玉県所沢市の藤本正人市長(59)は「競争から降りる」と宣言して返礼品をやめた。今も信念は揺るがない。返礼品のどこに違和感を抱くのか。市長に聞いた。【聞き手・駒木智一】
――制度の本来の趣旨は「育ててくれたふるさと、ありがとう」だった。2017年に返礼品をやめた市長から見て現状はどうか。
藤本市長 (本来の趣旨は)全く守られていない。人の欲に火をつける制度なので、欲望のままに動いてしまっている。みんな背に腹は代えられない。納税者も自治体も。
――所沢市は返礼品なしで、純粋な形の寄付集めを続けている。
藤本市長 私は「ありがとうございました」とお礼状を書いているだけ。所沢市民だった方や、もしかしたら全然所沢とは関係ないけれど(返礼品競争から降りた)趣旨に賛同して寄付してくれている人がいるのかもしれない。毎年寄付してくださる方もいる。
そもそも、納税を「募る」ことがいいことではないと思っている。…
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