映画業界の常識覆す「実験」 脚本家・渡辺あやが自主製作に挑むワケ

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映画「逆光」で自主製作に挑んだ理由を話す渡辺あや=京都市上京区で2021年8月16日、菱田諭士撮影
映画「逆光」で自主製作に挑んだ理由を話す渡辺あや=京都市上京区で2021年8月16日、菱田諭士撮影

 「みんなすっごいしんどそう。誰も楽しく仕事をしていないこの業界に、未来はあるのかって言ったら、ないわけですよ」。辛辣(しんらつ)な言葉を映画業界に放ったのは、NHK連続テレビ小説「カーネーション」などで知られる脚本家の渡辺あや。近年は作品を通じて偏見や差別、閉塞(へいそく)感など社会に問題を投げかけ、高い評価を得てきた。そんな渡辺は新作「逆光」(18日公開)で、映画会社に頼らず、有志たちと資金集めから製作、配給、宣伝まですべてを手がける挑戦をした。人気脚本家があえて選んだ自主製作映画は業界の空気を変え、常識を覆すための「実験」だった。

「作りたい映画を公開したらどうなるか」

 「業界の人たちが『自分が作りたいものは作れない』と思い込んでいて。マーケティングで見込みがあるとされた企画しか通らない。東京からの余波がなければ、地方興行は成り立たないと、なぜかかたくなに信じていたんです」。「逆光」を京都で先行上映した8月、渡辺は映画業界の常識への違和感を語った。

 自らも興行収入や視聴率など数字ばかりを気にする現場に、10年以上…

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