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大阪市北区で17日午前に発生した雑居ビル火災では、甚大な人的被害が出た。災害や建築などの有識者に、今回の火災の特徴などについて見解を聞いた。【近藤諭、高野聡、松本光樹】
防災システム研究所の山村武彦所長は「短時間で鎮火され、焼失面積も小さいのに、多くの犠牲者が出た点で通常の火災と異なる。部屋の出入り口付近で可燃物がまかれ、短時間に猛烈に燃焼したことで一酸化炭素ガスが放出され、犠牲者が増えたのではないか」とみる。その上で「歌舞伎町ビル火災(2001年)では、避難経路となる階段に物が置かれ通れなかったが、今回は避難経路に可燃物がまかれたことで、塞がれた状態になったのではないか」とも推察した。
建築物の火災安全設計が専門の萩原一郎・東京理科大教授は「建物の安全対策は、基本的に失火や漏電による火災を想定している。しかし、今回の建物の構造では、入り口付近で放火されると階段から逃げることができない。4階では飛び降りることもできず、多くの人が避難できない状況に陥ったのだろう」と話し、対応の限界を指摘する。出火元となった部屋の広さなどからスプリンクラーの設置は義務づけられておらず、萩原教授は「古…
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