熱中症死、なぜ前園長は1人で…「信じるしかなかった」保護者

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倉掛冬生ちゃんが取り残された送迎バスの車内。当時は園児7人が乗り、前園長が1人で運行していた=北九州市八幡西区の福岡県警折尾署で2021年7月31日午後3時25分、成松秋穂撮影
倉掛冬生ちゃんが取り残された送迎バスの車内。当時は園児7人が乗り、前園長が1人で運行していた=北九州市八幡西区の福岡県警折尾署で2021年7月31日午後3時25分、成松秋穂撮影

 「本当に1人で大丈夫なのかと思っていた」。福岡県中間市の双葉保育園で7月に倉掛冬生(とうま)ちゃん(当時5歳)が熱中症で死亡した事件。園では約2年4カ月前から浦上陽子前園長(44)=17日に業務上過失致死容疑で書類送検=の送迎バスの1人運行が次第に常態化しており、そのバスで事件は起きた。冬生ちゃんの元気な姿を覚えている元職員は後悔の念を口にし、振り返った。「前園長が『1人で行く』と言えば、口出しできない空気だった」

 事件では、バスからの降車確認や出欠確認のずさんさなど園の安全管理の甘さが浮き彫りとなり、特別監査をした福岡県と中間市は8月、園を設置する社会福祉法人に児童福祉法などに基づく改善勧告をした。その後、県と市は、園児らへの暴言や体罰があったとして、10月にも2度目の改善勧告に踏み切った。

 同市の担当課長は「職員間で物が言えない、注意し合えない雰囲気があった」と話し、虐待行為が是正されなかった背景を指摘。市の調査でも前園長の1人運行を保育士らに聞いたところ「おかしいとは思っていたが、言い出せなかった」との証言があり、風通しの悪さの延長線上に事件が起きてしまったとみる。

 なぜ1人運行までして…

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