こども家庭庁、縦割りは変わらない? 勧告権や予算…乏しい実力

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首相官邸=竹内幹撮影
首相官邸=竹内幹撮影

 政府は21日、子ども政策を一元的に担う「こども家庭庁」の基本方針を閣議決定した。来年の通常国会に設置法案を提出し、2023年度のできるだけ早い時期に内閣府の外局として発足させたい考えだ。ただ、学校教育や幼稚園の所管は文部科学省に残ったままだ。縦割り行政や財源確保の不安は解消されるのか。【小鍜冶孝志】

「伝家の宝刀」見栄えだけか

 こども家庭庁の創設は、「縦割り行政の打破」を掲げた菅義偉前首相の看板政策の一つだった。前首相は今年4月、「こども庁」(当時)の創設準備を自民党に指示。当初は衆院選の公約との位置づけで、年内の具体化を目指し、今夏から実質的な議論をスタートさせた。しかし、前首相の突然の辞任でいったん失速。岸田文雄首相が政策を引き継いだものの、「縦割り行政」の壁に阻まれ、基本方針の閣議決定は年末ギリギリまでもつれこんだ。

 基本方針では、「子どもの育ちは家庭を基盤としている」との自民党内の意見を踏まえ、直前に名称を「こども家庭庁」に変更した。内閣府の外局として設置し、専任閣僚と長官を配置する。厚生労働省が所管する児童虐待防止や保育所の施設運営、障害児支援分野のほか、内閣府が担う子どもの貧困政策などを移管する。

 しかし、文科省の所管業務は原則、移管せずに残す形になった。…

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