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広島・長崎原爆

1945年8月、広島・長崎へ原爆が投下されました。体験者が高齢化するなか、継承が課題になっています。

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「黒い雨」被害救済 対象外の長崎「被爆地を分断する暴挙だ」

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厚生労働省が示した案に憤る被爆体験者訴訟の原告団長、岩永千代子さん(手前左)や代理人弁護士ら=長崎市魚の町の毎日新聞長崎支局で2021年12月23日午後5時44分、今野悠貴撮影
厚生労働省が示した案に憤る被爆体験者訴訟の原告団長、岩永千代子さん(手前左)や代理人弁護士ら=長崎市魚の町の毎日新聞長崎支局で2021年12月23日午後5時44分、今野悠貴撮影

 広島への原爆投下直後に降った「黒い雨」被害の救済拡大を巡り、厚生労働省は23日、広島県・市、長崎県・市との5者協議で被爆者認定指針改定の骨子案を示した。可能性が否定できない場合も含め「黒い雨に遭ったこと」と、「一定の疾病」にかかっている人を救済対象とした。

   ◇

 長崎の「被爆体験者」救済はかなわなかった。23日に提示された、広島の「黒い雨」被害者と長崎の被爆体験者を巡る国の救済拡大案。国は黒い雨の被害者について被爆認定の間口を広げる案を示したが、被爆体験者に関しては「議論の土台が異なる」として具体案を示さなかった。蚊帳の外に置かれ、期待を裏切られた長崎の関係者は「広島も長崎も被害は同じなのに」と肩を落とした。

 「国の案は受け入れがたい」。この日あった厚生労働省と広島県・市、長崎県・市の5者協議の後、記者会見した長崎市原爆被爆対策部の林尚之課長は国の姿勢を批判した。これまでの協議で「長崎は黒い雨が降ったことを示す客観的資料がない」とする厚労省に対し、1999年度の住民調査結果などから「長崎も黒い雨が降った。指針に被爆体験者の救済も盛り込んでほしい」と求めてきた。

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【広島・長崎原爆】

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