感染症と生きる国

ケニアの現場から/中 遅れるマラリア発見 マスク不足、家庭巡回できず

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マラリア予防の知識を広めるボランティアたち=ケニア西部ビヒガで11月25日
マラリア予防の知識を広めるボランティアたち=ケニア西部ビヒガで11月25日

 赤茶けた道の脇にトウモロコシの一種「メイズ」の茂みが青々と連なる。ケニア西部ビヒガの村は高温多湿で、東京の真夏を思わせる。マラリアを媒介する蚊が発生しやすいこの地域は、ケニアで最もマラリア感染者の多い地域だ。

 世界保健機関(WHO)によると2020年、世界のマラリア感染者数は延べ2億4000万人を記録し、62万7000人が死亡した。ケニアでも人口の約70%がいつマラリアに感染してもおかしくない環境で暮らす。20年は約270万人が感染したと推計され、死者は約1万2000人に上った。

 ビヒガでは「世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)」(本部・スイス)や医療NGO「アムレフ」(本部・ナイロビ)の支援で組織されたボランティアがこまめに地域を回り、マラリアを媒介する蚊を発生させないよう住民に呼びかけている。

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