SNS中傷、責任はどこに 豪「所有のメディア側に」判決で波紋

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写真はイメージ=ゲッティ
写真はイメージ=ゲッティ

 米交流サイト「フェイスブック」(FB)上で運営されている新聞やテレビなどの公式ページに投稿された中傷について「その責任はページ所有者のメディア側にある」としたオーストラリア連邦最高裁の判決が波紋を広げている。豪州では判決が出た9月以降、責任を負うのを回避しようと、政治家らも自身のFBでコメント機能を制限し始めた。こうした動きに対し、豪州政府はソーシャルメディア側に責任を取らせるための法整備に着手した。【石山絵歩(バンコク)、金寿英、青島顕】

うその書き込みも

 判決は、かつて少年院への入退院を繰り返した男性が2017年に起こした名誉毀損(きそん)の訴えに対するものだ。豪州のテレビ局が、16年に少年院で顔を布で覆われた状態のまま拘束椅子に縛りつけられた男性の映像を公開。その後、他の複数のメディアも映像を報じ、FBページにも載せた。少年院の処遇改善議論を巻き起こした一方で、男性への中傷が相次いだ。

 例えば、あるメディアがFBのページに掲載した男性に関するニュースのコメント欄には「これまでの行いを考えれば、当然の報いだ」と男性を非難するものばかりか、男性が「かつて高齢女性に性的暴行をした」などとするうその書き込みもあった。

 男性は、これらのコメントをメディア側が放置していることで名誉を傷つけられたとして、豪大手メディア3社を相手取り、損害賠償を求める訴訟を起こした。

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