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京都市のたけびしスタジアム京都(西京極陸上競技場)を発着点とするコースで26日開かれた男子第72回、女子第33回全国高校駅伝競走大会(毎日新聞社など主催)で、県代表の世羅男子(7区間、42・195キロ)は歴代2位の2時間1分21秒で65、66回大会(2014、15年)以来となる連覇を果たした。優勝は歴代最多を更新する11回目。女子(5区間、21・0975キロ)は連覇を目指したが、1時間13分20秒で駆け抜けて31位の結果を収めた。新型コロナウイルスの影響で2年続いて練習の制約を受けながら、選手らは地域の声援を力に結果を出した。【関東晋慈】
◆男子
世羅、声援力に連覇 主将の思い、快走導く

トラックに戻った7区(5キロ)の村上(2年)に向けて主将の塩出(3年)は「最後まで」と大声で叫んだ。自分が切るはずだったフィニッシュテープを切り終えて抱き合った村上に塩出は「ありがとう」と声を掛けた。
新宅昭二監督(50)も「苦渋の決断だった」と何度も口にした。塩出は大会1週間前から右ももに炎症があり、本番前日にメンバーから外すことを本人に伝えた。「チーム力は下がるかもしれないが、他の選手が塩出の思いも受け止めて走ってくれるはず」と期待を込めた。
今年も1区(10キロ)を託された森下(3年)は「区間賞を取る」と言い切ってスタート。6キロ手前から終始、先頭集団の好位置につけた。ラスト200メートル、意地のスパートで前に出て宣言通り区間賞。新宅監督も「強い選手だ」と賛辞を送った。
2区(3キロ)の中村(2年)は「自分でレースをつくることができなかったことが悔しい」と振り返るが首位を守って2位との差もわずかに開いた。昨年に続き3区(8・1075キロ)のコスマス(3年)は4秒差でたすきを受け、厳しい風の中、今大会の日本人トップと評された洛南(京都)の佐藤を寄せ付けず区間賞(22分59秒)の走りで差を広げた。
4区は昨年6区を走った吉川(3年)。レース前は「初めて走る長さで不安はあった」という。一度は洛南に先頭を譲るが冷静に後ろに付き、残り2キロでスパート。最後数百メートルでさらにギアを上げると2位洛南に8秒差を付け、大会記録を上回るペースでつないだ。
5区(3キロ)の小島(2年)は「短い距離だが、落ち着いて2位との差を広げることを考えた」といい、安定した走りで後続との差を広げた。6区(5キロ)の花岡(3年)は「途中で想定していたタイムから遅れたが下りでペースを上げられると自信を持って走った」とアンカー村上に託した。
昨年、塩出主将が走ったアンカー区間を任された村上は「去年、都大路を走れずに悔しい思いをした。何が何でも走る」と練習した1年だった。その思いや、出走できなかった塩出の思いを胸に快走、6人が作ったリードを守り切り、拳を力強く握って連覇のフィニッシュテープを切った。村上は「精神的支柱だった塩出さんの悔しさが分かった。僕がエースの気持ちで全力で走った」と笑顔で振り返った。
女子・31位 3年2人「やり切った」
連覇への重圧がある中、選手らは「笑顔で終わる」と誓い合ってレースに臨んだ。3区(3キロ)の丸谷と5区(5キロ)の主将、細迫の両3年生はレース後、笑顔で抱き合い、「みんな、やり切った」と笑顔を見せた。
1区(6キロ)の山田(1年)は「目標は10位台」とスタートを切った。だが、強い横風などを受けて苦しいレース運びになった。山田は「坂でペースを上げることができなかった」と振り返り、「調子のいい選手を長距離区間に置いた」という中川久枝監督(60)も「1年生は初めての都大路で緊張したのかもしれない」と思いやった。
32位でたすきを受け取った2区(4・0975キロ)の続子(1年)は29位まで順位を上げた。「何位でも自分が楽しめばいい」という気持ちでたすきをつないだ丸谷。ペースを上げすぎないことを心がけ、終盤で抜かれた選手をうまく風よけにして踏ん張り、ラストの上り坂で抜き返して順位を守った。
丸谷は「自分の思い通りのレースはできた。都大路に立てたことに感謝しながら走ることができた」とレース後、笑顔で話した。
4区(3キロ)の後藤(1年)は積極的なレースができる持ち味を生かし、1人抜いてアンカーの細迫につないだ。細迫は「走る前は不安だった」と振り返ったが、主将としてメンバーを引っ張り支えられてきた1年間を胸に走った。
細迫は31位という結果に「入賞を目標にやってきたが、力はまだまだだと思った」と悔しさをにじませた。そして、主将としてチームを引っ張ってきた1年を「苦しかったが、みんなでやってこれた」と振り返り、「今大会で1年生3人が走った経験は大きい。来年は都大路で悔いがないように頑張ってほしい」と後輩たちにエールを送った。
中川監督は「それぞれの選手が今持っている力で頑張った」と選手をねぎらった。
伝統築き続けて 知事が祝福
全国高校駅伝男子で世羅が連覇したのを受け、湯崎英彦知事は26日、祝福のコメントを出し、栄冠をたたえた。
湯崎知事は「都大路での見事な走りは、コロナ禍で社会生活に影響を受けている県民に明るい話題を提供し、夢と感動を与えてくれた」とたたえ「皆さんがこの1年間努力を重ねてきた結果であり、監督の熱心な指導をはじめ、保護者や卒業生、地域の方々の支援のたまもの」とねぎらった。そして「一層精進を重ね、今後とも『駅伝の世羅』として伝統を築くことを期待する」とさらなる飛躍を祈った。【堀江拓哉】
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