消えゆく街中華を救え!大阪王将の「脱・どこでも同じ」戦略

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栄楽のオーナーだった大滝順一さん(左)と大阪王将の林淳司取締役執行役員=東京都武蔵野市で2021年10月27日、松山文音撮影
栄楽のオーナーだった大滝順一さん(左)と大阪王将の林淳司取締役執行役員=東京都武蔵野市で2021年10月27日、松山文音撮影

 「中華料理」と書かれた白いのれんをくぐると、食材を炒める音や料理の香りがただよってくる。こぢんまりとして全体が見渡せる店内は、カウンターを含め15席ほど。壁には「焼き餃子(ギョーザ)」「中華丼」などと書かれた料理札がずらりと並んでいる。

 どこの住宅街にもあり、なんとなく懐かしい地域密着型の中華料理店「街中華」の風景。実は、ここは繁華街や駅近の立地に大型店舗を構えてきた中華チェーン、大阪王将の「武蔵野緑町栄楽店」だ。集合住宅や大型スーパーが並ぶ東京都武蔵野市の住宅街の一角に2021年8月にオープンした。

看板メニューは「ギョーザだけじゃない」

 大阪王将といえば、ギョーザと赤地に白文字の看板がおなじみだが、この店舗が名物メニューとして推すのは「栄楽カツカレーセット」や「栄楽生姜(しょうが)焼きライス」。外観も鮮やかな黄色で彩った。大阪王将が店舗展開を急ぐ「街中華モデル」の新店舗で、地域にもともとあった中華料理店の屋号とメニューを引き継いだ初めてのケースだ。

 店舗名やメニューに入る「栄楽」は、東京タワーが完成した1958年の創業。オーナーの大滝順一さん(70)が父から継ぎ、長年、地域で親しまれてきた。

 かつては和食を手がけていた父親から受け継いだ中華料理は、油をあまり使わず、毎日食べても飽きないよう、あっさりした味付けが特徴。週に3、4日通う固定客や、親子3世代で通う客もいたが、大滝さんは体力の不安や後継ぎがいなかったことなどから、昨年5月、70歳を前に閉店を決めた。

 これに目をつけたのが、今でこそ全国に300店以上を展開する大手チェーンになったものの、大阪・京橋の街中華から出発した大阪王将だった。

 大阪王将は近年、繁華街を中心に大型店舗を展開する従来の戦略に限界を感じてい…

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