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和解のために 2021

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和解のために 2021

固定化された「構造」を打ち破る試みにこそ目を向けて

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「デジタル記念館 慰安婦問題とアジア女性基金」出版記念会で歓談する村山富市元首相(右から2人目)。左は石原信雄元官房副長官=東京都千代田区で2014年11月9日、矢頭智剛撮影
「デジタル記念館 慰安婦問題とアジア女性基金」出版記念会で歓談する村山富市元首相(右から2人目)。左は石原信雄元官房副長官=東京都千代田区で2014年11月9日、矢頭智剛撮影

 日韓関係は1965年の国交正常化以降で最悪と言われるほど悪化している。だが両国はこの間、常にいがみ合いを続けてきたわけではない。冷戦崩壊後にナショナリズムが高揚する前は、韓国が日本の良さに学ぼうとした時代もあったのである。韓国・世宗大の朴裕河(パク・ユハ)教授は、固定化されたように見える「構造」を打ち破るさまざまな試みにもっと目を向けるべきだと訴える。

固着する試みと打破のための試み

 世界を理解しようとするときに構造を見ることは重要だ。支配構造を言おうとするとき、特にそうである。そのような考察を通して、これまで階級的支配、性的支配、人種や民族的支配と差別などが指摘され批判された。

 ところが、構造にはいつも構造から抜け出そうとする力が存在する。その構造に疑問を抱いた人々によってである。そして、疑問を抱くのは必ずしも被支配者だけではない。支配者自らがその構造を打ち破る場合は多くないが(奴隷解放を試みた人々はそうしたケースに当てはまる)、構造に少なくとも安住しないか、構造を利用して被支配者のためにできることをする場合は少なくない。

 日本軍のひとりが、…

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