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羽生結弦の目指す4回転半ジャンプ 求められる回転、高さの両立とは

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男子フリーでクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に挑んだ羽生結弦の連続合成写真(右から左へ)。回転不足で両足着氷した=さいたまスーパーアリーナで2021年12月26日、手塚耕一郎撮影
男子フリーでクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に挑んだ羽生結弦の連続合成写真(右から左へ)。回転不足で両足着氷した=さいたまスーパーアリーナで2021年12月26日、手塚耕一郎撮影

 フィギュアスケート男子の羽生結弦(ANA)が、26日にあった全日本選手権の男子フリーでクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に挑戦した。回転が足りずに「ダウングレード」と判定されたが、代表となった北京オリンピックまでに「武器として4回転半を携えていけるように」と意気込む。世界で誰も成功したことのないジャンプの難易度、体にかかる負荷はどのくらいなのか。

「ひたすら暗闇を歩いている」

 「例えて言うならば、走り幅跳びをしつつ(高跳びの)背面跳びを同時にやろうとしているようなもの。本当に複雑な動きだと思う」。運動生理学に詳しい桐蔭横浜大の桜井智野風(とものぶ)教授は、4回転半ジャンプの難しさを、こう語る。

 前向きに踏み切るアクセルは、他の4回転ジャンプに比べて半回転多いため、滞空時間がより必要となる。踏み切りから着氷まで空中にいることのできる「距離と高さ」が求められる。

 一方で、同時に体を回しきる力も必要だ。羽生は以前「(ジャンプが)高くなると、完全に体が拒絶反応を起こす。高さと回ることの両立がかなり難しいジャンプ」と漏らしたことがあった。

走り幅跳び世界記録保持者との共通点

 桜井教授によると、スピードが出ている場合、空中へ飛び出す踏み切り角度が30度以上になると「吹き上がるようになってしまって、高さはあっても逆に距離が出なくなる」という。比較対象として挙げたのが、陸上走り幅跳びで一時代を築いたマイク・パウエル(米国)だ。1991…

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【北京オリンピック2022】

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