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コロナの飲み薬承認 効果上げる体制の整備を

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 新型コロナウイルス感染症の軽症から中等症の患者向け飲み薬が、国内で初めて承認された。

 米メルク社の「モルヌピラビル」で、重症化リスクの高い18歳以上が対象になる。

 自宅で服用できるのが大きなメリットだ。

 これまでの治療薬は、医師による点滴や注射での投与が必要だった。モルヌピラビルの承認は、医療現場の負担軽減につながると期待される。

 既に使われている抗体カクテル療法の薬が効かないオミクロン株にも有効だ。医師からは「コロナ治療の有力な手段の一つになる」との声が上がる。

 メルク社の解析によると、服用によって入院や死亡のリスクを3割減らせるという。

 政府は既に160万回分を確保し、医療機関や薬局へ配送を始めた。しかし、効果に対する評価は分かれており、フランスのように調達を中止した国もある。

 動物実験で胎児に奇形が生じたり、骨や軟骨の成長に影響したりする可能性が指摘された。このため、妊婦や子どもは使えない。

 効果を上げるためには、薬の特性に合わせた運用体制の整備が求められる。

 発症から5日以内に服用を始める必要がある。だが、今後、感染者数が急増すれば、検査や診断が間に合わず、処方が遅れるケースが出かねない。

 政府は、オンライン診療なども活用して、薬局から患者のもとへ直接届ける計画だ。目詰まりを起こさないように、周到に準備する必要がある。

 薬を飲んでも効果がなく、重症化する人を見逃さないようにしなければならない。経過観察を徹底し、速やかな入院につなげる対応が欠かせない。

 米ファイザー社や塩野義製薬も、軽症者向けの飲み薬の開発を進めており、近く承認申請する見通しだ。後藤茂之厚生労働相は「国民が安心して暮らせるための切り札になる」と期待を寄せる。

 しかし、飲み薬は万能ではない。オミクロン株の拡大に備えて、感染予防対策に加え、ワクチンの3回目接種の着実な実施や、医療体制の整備をおろそかにしてはならない。

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