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「だいじょうぶ」キャンペーン

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「だいじょうぶ」キャンペーン

「だいじょうぶ」キャンペーン 年末年始の交通安全

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高齢者の運転行動を調べるドライビングシミュレーター。自分の運転状態を知ることが改善につながる=小竹元基准教授提供 拡大
高齢者の運転行動を調べるドライビングシミュレーター。自分の運転状態を知ることが改善につながる=小竹元基准教授提供

 故郷への帰省や買い出しなど、運転する機会が増えるのが年末年始。スピードの出し過ぎ、脇見運転などの不注意が、重大な事故を招くことがある。「高齢者を含め、日ごろ、自分がどのような運転をしているかを知り、安全運転を徹底させてほしい」と専門家は説く。【明珍美紀】

運転の診断は、ドライブレコーダーの映像などをもとに行われる=高齢者安全運転診断センター提供 拡大
運転の診断は、ドライブレコーダーの映像などをもとに行われる=高齢者安全運転診断センター提供

「自分の運転」点検しよう 東京大大学院・小竹元基准教授

「自分の運転の状態を知ることが大切」と語る小竹元基准教授=千葉県柏市の東京大柏キャンパスで、明珍美紀撮影 拡大
「自分の運転の状態を知ることが大切」と語る小竹元基准教授=千葉県柏市の東京大柏キャンパスで、明珍美紀撮影

 道路交通法は随時改正されており、2020年施行の改正道交法では、急な割り込み、不要な急ブレーキなど「あおり運転」が厳罰化された。22年5月からは、一定の違反歴のある75歳以上を対象にした運転技能検査の義務化など、高齢ドライバーの事故対策が加えられる。

 「安全運転をするには、まず速度を落とすこと。そうすれば、確認できることが確実に増えます」と話すのは、東京大大学院新領域創成科学研究科の小竹(しの)元基(もとき)准教授。交差点で違う方向から進んでくる車がいないか、周囲の歩行者、自転車が思わぬ動きをしていないかをより早く察知できるようになる。

 帰省や旅行で長距離運転をするときは、自分の体力を過信せず、きちんと休憩を取る。「最近は、特色のある道の駅や高速道路のサービスエリアがあるので、それらを楽しむのもいいでしょう」

映像で状態を解析

 地方や山間部などでは、マイカーが高齢者の移動手段になっていることが少なくない。

 小竹准教授が理事を務める一般社団法人「高齢者安全運転診断センター」(東京都港区)では、運転の「人間ドック」、すなわち、運転診断を実施する。

 メインは、車両前方に設置されたドライブレコーダーによる映像解析診断で、記録された日常の運転から教習所の元指導員らが、ドライバーの表情、交通環境に対する目の動き、首の角度、上半身の動作などを分析する。ドライバー自身、自分の運転状態を客観的に見ること、知ることができる。

 たとえば、高齢になると右方向に比べて左側は注意がおろそかになる傾向があり、「交差点で脇道から曲がってきた車と出合い頭にぶつかるといった事故を起こしやすくなり、特に夜間はその傾向が強くなります」。

 診断では、そうしたドライバーの欠点や運転のくせを指摘し、改善点をアドバイスする。

 安全運転のために、小竹准教授は「ひと息呼吸」を提唱する。交通の流れに合わせようと慌ててアクセルを踏んだり、ハンドルを回したりするのではなく、「ひと呼吸おいて『さあ、行こうか』と次に進む。もちろん安全確認をしたうえでの話です」

移動手段を小型化

 一方で、診断を機に運転免許証を自主返納する人がいる。年を重ねれば、心身機能が低下し、その個人差も大きい。その際、無理やり免許証を返納させるのではなく、高齢者が自分の運転状態を知り、見極めたうえで、返納しやすい環境をつくることが必要だ。運転が可能で返納しないまでも、電動車椅子やシニアカー、スクーターなど小型モビリティーに乗り換える方法がある。

 小竹准教授らの研究チームも、ドライビングシミュレーターを用いたモデル実験を行い、高齢者の運転の変化を調べているが、「高齢者に限らず、大切なのは、自身の運転能力を知ることです」。

 何ができないか、どのようなうっかりミスが多いかが分かれば、それを補おう、注意しようと努め、運転の仕方がよくなり、結果的に事故のリスクが減ることになる。

 交通事故の防止と、モビリティーの整備は重要な社会課題だ。

自転車もルール守って 「傘差し」「あおり」は禁止行為

子どもが自転車に乗るときはヘルメットは必需品だ=千葉県内で5日、明珍美紀撮影 拡大
子どもが自転車に乗るときはヘルメットは必需品だ=千葉県内で5日、明珍美紀撮影

 幼児から高齢者まで幅広く利用され、近年は「エコな乗り物」として注目される自転車は、「軽車両」に分類される。日本の自転車の保有台数は約6870万台(2019年、社団法人・自転車協会調べ)。「2人に1台」の自転車大国だが、ルールの理解不足や軽視で、歩行者と自転車、あるいは自転車と自動車との事故が後を絶たない。

 運転中にスマートフォンを操作する、傘を差すといった自転車の「ながら運転」は道交法に基づき、都道府県の条例で禁止されている。20年施行の改正道交法では、自転車の危険運転にも「あおり運転」が追加された。逆走や幅寄せ、執拗(しつよう)にベルを鳴らすといった行為が取り締まりの対象になった。

 歩道と車道の区別のあるところでは、自転車は車道を通行するのが原則だ。「そうした法律の中身がよく理解されていない」と、「自転車で行こう」などの著書があるフリーライターの新田穂高さん(58)は強調する。

 「自転車で車道を走るときは、左側を通行すること。右側走行は自動車から見えにくく、出合い頭の衝突などが起きやすい。非常に危険です」

 自転車が歩道を通行できるのは、子ども(13歳未満)、高齢者(70歳以上)、身体不自由者が運転している、車道または交通の状況からみてやむを得ない――といった場合で、「子どもを自転車の前や後ろに乗せての歩道走行はやむを得ない場合に当たるでしょう」。

 歩道を自転車で通行するときは、歩道の車道寄りを、すぐに停止できる速度で走る。歩行者の妨げになるときは一時停止をする。「あくまでも歩行者が優先です」

 自転車に子どもを乗せるとき、あるいは子どもが自転車に乗るときは「ヘルメットは必需品」と新田さん。「安全のためにも気持ちに余裕を持って自転車ライフを楽しみましょう」と言う。


安全運転のための六つのポイント

・始動、方向転換などの際は「ひと息呼吸」

・見通しの悪い交差点では一時停止線、交差点入り口の2段階で停止

・駐車するときは周囲を確認したうえでブレーキを緩める

・自分の運転を知る

・夜間や雨の日の運転はなるべく控える

・定期的に眼科検査を受ける(小竹元基准教授による)


「安心・安全の輪」を大きく

 犯罪や災害、事故などから子どもたちやお年寄りらを守り、「だいじょうぶ?」と声をかけ合える社会を目指す運動で、2007年に始まった。ロゴマークは「行政」「企業・団体」「市民」の三つのリングをかたどり、「安心・安全の輪を大きくしていきたい」との願いを込めている。各地で「地域安全マップ教室」を開くなど、防犯、防災、交通安全の三つを柱に、事業、イベントを展開している。問い合わせは同キャンペーンのホームページ(http://daijyoubu-campaign.com/)で(「だいじょうぶキャンペーン」で検索すると表示される)。


 「だいじょうぶ」キャンペーンホームページ(http://daijyoubu-campaign.com/)または「だいじょうぶ」キャンペーンで検索


主催

 「だいじょうぶ」キャンペーン実行委員会(野田健会長=元警視総監、元内閣危機管理監、全日本交通安全協会理事長/事務局 毎日新聞社)

共催

 全国防犯協会連合会、全日本交通安全協会、

 日本消防協会、全国防災協会、日本河川協会、

 日本道路協会、都市計画協会、全国警備業協会、

 日本防犯設備協会、ラジオ福島、毎日新聞社

後援

 内閣府、警察庁、文部科学省、

 国土交通省、消防庁、海上保安庁、

 東京都、NHK

協賛

 セコム

 東京海上日動

 トヨタ自動車

協力

 地域安全マップ協会

 プラス・アーツ

 情報セキュリティ研究所

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