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二酸化炭素(CO2)の数十倍の温室効果がある「メタン」の排出削減を目指す国際枠組みが発足した。うまく削減できれば気温上昇を抑える大きな効果が期待できる。だが排出源は多種多様で、食料生産とも深く結びつくだけに壁は高い。
●寿命短く即効性期待
メタンは湿原や火山など自然の発生源もあるが、問題は人為的な排出だ。気象庁が運営する温室効果ガス世界資料センターによると、2020年の世界の大気中の平均メタン濃度は1889ppb(ppbは10億分の1)。産業革命前と比べ2・6倍に増えている。
大気中に数百年とどまるCO2と違い、メタンの寿命は約12年。ある気体がCO2と比べてどのくらい温室効果があるかを示す「地球温暖化係数」は、メタンの場合、100年間の積算で比べると28倍、20年間で比較すると84倍にもなる。メタンの排出1トンがCO284トン分の排出に相当する計算だ。
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