「思いやり」だけじゃない 日本企業が世界で問われる人権意識

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中国に進出する企業は人権問題への向き合い方が問われている=北京市内で2021年4月21日、米村耕一撮影
中国に進出する企業は人権問題への向き合い方が問われている=北京市内で2021年4月21日、米村耕一撮影

 人権侵害を巡り、企業に対する圧力が世界で強まっている。米国では2021年12月、中国新疆ウイグル自治区の産品の輸入を原則禁じるウイグル強制労働防止法が成立。欧州でも企業に人権問題への対応を求める法整備が進む。こうした潮流に日本企業はどのように向き合うべきか。ビジネスと人権の関係に詳しい大阪経済法科大の菅原絵美教授に聞いた。【聞き手・和田憲二】

 ――ビジネスにおける人権尊重は以前から求められていました。

 ◆1970年代には多国籍企業による先住民族らへの人権侵害が問題となりました。90年代に始まるCSR(企業の社会的責任)を巡る議論では、米ナイキなど世界的企業による過酷な児童労働の実態が明らかにされました。こうした中で国連人権委員会は11年、企業の人権尊重責任を明確化した初の国連文書「ビジネスと人権に関する指導原則」を策定しました。法的拘束力はないものの、国家レベルでルールを整備したり、企業が行動指針を策定したりする際の基礎となっています。取引先も含めた人権尊重は、今や世界的に企業の経営課題として認識されるようになっています。

 ――現在、ウイグルにおける人権問題に世界の注目が集まっています。

 ◆ウイグル問題は、ある種「氷山の一角」です。ILO(国際労働機関)の報告書によると、全世界で約4000万人が強制労働を含む「現代奴隷」の被害者となっています。どの企業も世界的なサプライチェーン(供給網)を通じて、何かしらの関わりがあると考…

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